そこで研究チームは、マウスを使ったものより小規模ではあるものの、遺伝的にヒトに近いサルを使った実験も行った。そして同様に、非常に「良い結果」を得たという。
サルの実験結果
・脊椎骨と脚の骨密度が上昇・摂取していないサルと比べ、体脂肪が減少
・炎症が起きていることを示す複数の指標の数値が低下
サルの場合はマウスより寿命がかなり長いため、タウリンがどのような影響を及ぼすかについては、いまのところ明らかになっていない。だが、確認されたあらゆる兆候が「有望」なものだと考えられる。
さらに、サイエンス誌に掲載されたタウリンに関する別の論文で、ペンシルバニア大学のジョセフ・マガーンとジョセフ・バウアーは、タウリンを長期にわたって摂取した場合のリスクは明らかではないものの、タウリンは乳幼児用の粉ミルクやエナジードリンクにも含まれており、これまでにその悪影響は報告されていないと指摘している。
コロンビア大学などが行った実験では、エナジードリンクや一般的なサプリメンで摂取するよりも、かなり多くのタウリンをマウスやサルに摂取させている。
サプリメントで摂取するタウリンの量は一般的に、1日あたり1000~2000mgだ。だが、この研究でサルに与えられた量は、体重68kg程度のヒトに換算して、同およそ5500mgだった。ヒトがこれだけの量を取った場合の影響は、いまのところ誰にもわからない。
ヒトに対する効果を明らかにするためには、より多くの研究が必要だ。だが、これはまさに、興味深い研究結果だといえる。
(forbes.com 原文)