事業継承

2023.06.20

社長の平均年齢が過去最高に 事業継承が間に合わないリスクも

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帝国データバンクの調べによると、「後継者難倒産」は近年、増加傾向にあり、2022年度は過去最多の487件に。うち代表者の病気または死亡によって事業が立ち行かなくなり、倒産に至ったケースが半分近くを占め、経営リスクとして顕在化している。

団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)になる「2025年問題」が迫るなか、帝国データバンクは全国の「社長年齢」について調査・分析を実施した。その結果、2022年時点での社長の平均年齢は60.4歳。統計として遡れる1990年から32年連続で上昇し、過去最高となった。社長が引退する平均年齢は68.8歳で、70歳目前での交代が一般的だと明らかになった。

社長の年代別構成比を見ると、2022年時点で「50歳以上」が約8割を占める結果に。うち70代以上は25.2%となり、社長の4人に1人が70歳以上の高齢者だと分かった。「50歳以上」の割合は、2017年時点と比べ3ポイント増加。一方で、40歳未満の割合は3.3%にとどまり、2017年時点から0.9ポイント微減した。

さらに業種別では、最高が「不動産」の62.5歳となり、80歳以上の割合は約1割(9.5%)に。最低は「サービス」の58.9歳で、そのうちIT企業が主に分類され、若手起業家が多い「パッケージソフトウェア」では56.1歳だった。また、上場企業に絞ると社長の平均年齢は58.7歳に。最年少は、海外VTuber事業などを手掛けるエンタメ系スタートアップ、ANYCOLORの田角陸社長(27歳、2022年調査時点)だった。

都道府県別では、「秋田県」で社長の平均年齢が62.4歳と最も高く、次いで「岩手県」(62.3歳)、「青森県」(62.1歳)の順に。東北が全国の上位3県を占め、東北6県ではすべて60歳を超えている。一方で、平均年齢が最も低かったのは、6年連続で三重県(59.1歳)。帝国データバンクは、「三重県は2022年時点の後継者不在率が全国で最も低く(29.4%)、唯一の20%台であり、事業承継が進んでいると考えられる」と分析した。

他にも売上高別で社長の平均年齢を見ると、「1億円未満」が最高で61.8歳。そこに「500億円以上」の大企業が、60.7歳で続いた。

帝国データバンクは中小企業庁が「事業承継ガイドライン」において、事業承継の構成要素として主に「人・資産・知的財産」の観点をあげているが、それらを短期間で後継者に引き継ぐことは難しいと指摘。

その上で、「事業承継は急を要するものではなく、後倒しにされる場面も少なくないが、突発的に引き継ぐことになれば、自社のみならずステークホルダーへの悪影響も生じかねない。バトンタッチの時期を見据えながら、時間的余裕を持った事業承継を進める必要があるだろう」と説明した。

プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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