その後、「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002年)や「ラブ・アクチュアリー」(2003年)などの作品に出演。2008年からスタートしたアクション映画「96時間」シリーズは第3作まで製作され大ヒットを記録している。
実は「探偵マーロウ」は、俳優リーアム・ニーソンにとっては映画出演100本目の記念作品になるという。それだけに以前から彼自身も「演じてみたいと思っていた」というフィリップ・マーロウの役柄には、並々ならぬ意欲で取り組んだと思われる。
『探偵マーロウ』は6月16日(金)からTOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー (c)2022 Parallel Films (Marlowe) Ltd. / Hills Productions A.I.E. / Davis Films
監督を務めたのは、アイルランド出身のニール・ジョーダン。「クライング・ゲーム」(1992年)がアカデミー賞の6部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。小説家としてキャリアをスタートさせた映画監督だけに、そのストーリーテリングには定評がある。
ニーソンと同じくアイルランド系で、映画で組むのは1988年の「ブランケット城への招待状」以来、「探偵マーロウ」で4度目。少し年齢を重ねたフィリップ・マーロウ像を意気の合ったタッグで演出している。
生みの親であるレイモンド・チャンドラーが7つの長編小説で描いた私立探偵フィリップ・マーロウは、タフで孤高でありながら気の利いた言葉を口にする魅力あるキャラクター。そのうえ仕事では、離婚問題は扱わないことを信念としている。
「探偵マーロウ」のフィリップ・マーロウは、これまでの小説や映画で描かれたイメージとは少々異なり、タフさはほどほどに、よりジェントルな男性として描かれている。まさか現代の風潮に合わせたわけでもないだろうが、女性に対しても、あくまでも優しい。それがまた、とりわけ印象深いラストシーンを演出している。
連載 : シネマ未来鏡
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