アルコールの摂取は数多くの健康への悪影響ともつながっている。量にかかわらずアルコールの摂取はがん発症のリスクを高め、飲酒量が多ければ(週14杯以上)心臓発作のリスクが高まり、脳の活動を全体的に低下させ、認知機能を損なう可能性があることが研究で明らかになっている。
世界保健機関(WHO)や1月に発表された科学誌『Lancet Public Health』によるレビューは、アルコール消費に「安全な量はない」としており、アルコールは「毒性、精神作用、依存性をもたらす物質」として、タバコ、アスベスト、放射線と同じレベルの発がん性物質と分類されている。
米疾病予防管理センターによると、過度の飲酒は米国における予防可能な死亡の最も多い原因であり、20〜49歳の5人に1人の死亡の原因となっている。肝臓病、がん、高血圧、脳卒中などの一般的な疾患のほか、アルコール中毒などの短期の影響だ。
これまでの研究では、少量~中量のアルコールを飲む人は、飲酒を控える人に比べて心血管発作のリスクが低い可能性が示唆されていたが、アルコールが直接心血管のメリットにつながっているのか、あるいは飲酒者の行動や社会経済的な地位が関与しているのか明らかになっていなかった。
他の研究では、飲酒を扁桃体の活動の低下と結びつけ、これが血圧や心拍数の低下とにつながっているとした。高血圧や高い心拍数は炎症細胞の放出を誘発し、長期的には高血圧症や炎症の増加、心血管疾患のリスクの上昇、また糖尿病や肥満につながる。
(forbes.com 原文)