現代は様々なプラットフォームがあり、自分にお金を払ってくれる人から直接のフィードバックも得やすい。だからこそ、消費者への共感がコミュニティを運営する上で重要だ。隣人が困っていることは何か?という意識でサービスを考えることは、上司や就業規則を優先していた時代から【考え方】や【価値基準】が変化していると言える。また、自分の特技や関心の高いことから他者と交流が生まれる点は、上司・同僚・部下という社内での縦のつながりが強固だった従来の【人間関係】とも対照的だ。
個人が経験やスキルに応じて多方面に仕事を選択できることは、企業にとってもメリットになる。個人に重要な業務のノウハウが蓄積されてしまうと、誰かが辞めたときに仕事が回らなくなってしまうが、例えばアメリカでは、平均勤続年数が4.2年ほどと短く、同僚が入れ替わるのは当たり前だと捉えているから、常に誰かが代行できる仕組みをもつ企業が多い。プロジェクト単位で人員を採用するジョブ型雇用は日本でも導入が進んでいる。こうした状況下、企業には仕事の進め方や職場環境について常にアップデートが求められる。
特技を武器に自立した個人から心地よい居場所のひとつとして選ばれる会社でなければ、もう生き残れない。経営者や管理職のリスキリングこそいちばん初めに行うべきだ。