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2023.06.07 06:25

就活相談で家族を選ぶ学生が増えたワケ

Getty Images

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未知なる経験を強いられた時、あなたは誰を信頼できる相談相手として選ぶだろうか。行動や働き方、価値観に至るまで、近年のパンデミックが私たちの生活において覆したものを挙げればキリがない。そんな激動のコロナ禍を経て、就活生が選ぶ相談相手も変化しているようだ。

採用ソリューション事業などを手がけるヒューマネージは6月1日、 コロナ禍が就活生の意思決定にどのような影響を及ぼしたのか、2020年卒〜2023年卒の学生を対象にした就職活動に関するアンケート結果を発表(※)。コロナ禍前の就活生(2020年卒)とコロナ禍の就活生(2021年卒~2023年卒)について、「就職活動全般について相談した相手」と「内々定が出てから、承諾の意思を決めるまでに相談した相手」を比較・分析した。

まず「就職活動全般について相談した相手」については、「企業に就職している卒業生(リクルーター含む)」の割合が、2020年卒〜2022年卒まではいずれも40%台後半なのに対し、2023年卒のみ30%台半ば(35.1%)まで大きく減っている結果に。

一方、「内々定が出てから、承諾の意思を決めるまでに相談した相手」については、コロナ禍前の就活生と、コロナ禍の就活生で明確な違いが存在した。「誰にも相談していない」の割合が、コロナ禍前に就職活動を始めた2020年卒の36.6%と比べ、コロナ禍で就職活動を始めることとなった2021年卒から10ポイントほど減少。さらに、「家族・親戚」を相談相手とした割合は2020年卒では53.5%だったのに対し、2021年卒以降は60%を超え、10ポイントほど増えた。

同社は、就職活動全般について相談した相手として企業に就職している卒業生の割合が2023年卒の就活生で減っている理由について、「2023年卒の就活生は大学2年次になった途端にコロナ禍に突入したため、サークルやゼミ活動を通じて、のちに相談相手となる先輩との関係が築きづらかったことが影響していると考えられます」と分析。

内々定が出てから承諾の意思を決めるまでに相談した相手が変化している点については、「コロナ禍という誰にとっても想定外の事態がおき、企業や業界がそれぞれ大きな影響を受けている状況では、ひとりで進路を決断することは難しく、最も身近な社会人である『家族・親戚』の影響力が増したことがうかがえます」と見解を述べた。

続けて、2023年卒について文理別では、「就職活動全般について相談した相手」と「内々定が出てから、承諾の意思を決めるまでに相談した相手」、いずれも「家族・親戚」「大学のキャリアセンター」「教授・教員」で差が見られる結果に。文系学生は相談相手として「家族・親戚」「大学のキャリアセンター」を選ぶ割合が理系学生より高く、理系学生は「教授・教員」を文系学生より重視する傾向が見られた。また、内々定が出てから承諾まで「誰にも相談せずに決めた」割合は理系学生が32.5%で、文系(19.3%)を10ポイント超上回った。

同社は、コロナ禍が収束に向かい、日常が少しずつ戻りつつあるとはいえ、先が見通せない体験は人々の中に深く刻まれていると説明。「採用する企業側には、そのような厳しい環境下でも日々真摯に事業に取り組んでいるという営みも含め、自社の等身大の情報を開示し、候補者が納得して決断できる手助けをおこなうことが求められるといえそうです」と考察した。

※有効回答数:2020年卒:8407名、2021年卒:7310名、2022年卒:8545名、2023年卒:1万154名。調査期間:2019年6月~2023年2月

プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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