キャリア

2023.06.02 08:15

就活生の9割「選考につながるインターンシップ」を希望

大柏 真佑実

Getty Images

インターンシップが、2025年卒業予定の学生から大きく変わる。経団連と大学関係団体などの代表者により構成される産学協議会は、「インターンシップをはじめとする学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組み」を、1.オープン・カンパニー、2.キャリア教育、3.汎用的能力・専門活用型インターンシップ、4.高度専門型インターンシップに分類。正式にインターンシップと認められるのは、3.4.のみとなる。

企業は「長期休暇中に実施」「開催日数5日以上」「開催日数の半数以上は、職場での就業体験を実施」など、一定の条件下で実施したインターンシップを通じて取得した学生の情報を採用活動に活用できるようになり、それを受けて学生が就職活動を始める時期も早まることが予想されている。

そうしたなか新卒採用事業を手がける学情は4月24日~5月11日、2025年卒業予定の学生を対象として、インターンシップへの参加意向や就職活動を終えたい時期について聞いた調査結果を発表した(有効回答826件)。

選考につながるインターンシップがあれば参加したいかを尋ねたところ、「参加したい」と答えた学生が9割超(91.6%)を占める結果に。学生からは、「就職活動を有利に進めることができるチャンスは有効活用したい」「インターンシップ経由での選考の方が、ライバルが少ないと思う」などといった声が上がった。

インターンシップや就職活動準備に関する情報収集を始めた時期については、最多が「大学3年生の4月」で5割近く(48.5%)に。続いて「これから始める」(29.7%)となり、「大学2年生」も16%、「大学1年生」も5.8%存在。大学3年生の4月までに約7割(70.3%)が、3年生になる前に約5人に1人(21.8%)が、インターンシップや就職活動準備に関する情報収集を始めていたことが明らかになった。

さらに、就職活動を終えたい時期については、「卒業まで」(21.4%)を除くと最多が「2024年6月末まで」で15.3%。次いで「2024年ゴールデンウイークまで」(15.1%)となり、4年生の6月末までに就職活動を終えたいと答えた学生は、約半数(49.4%)に上った。

また、「2023年12月末まで」が5%、「2024年2月末まで」が2.4%、「2024年3月末まで」が11.6%となり、約5人に1人(19%)は3年生のうちに就職活動を終えたいと回答。一方で、「既に就職活動を終えている」と回答した学生は1.9%だった。
学生からは、「多くの企業の選考が集中する4年生の6月末までには就職活動を終えたい」、「できるだけ早く就職活動を終えて、残りの学生生活は学生でないとできないことを経験したい」などといったコメントが。業界によって異なるが、学生時代に取っておくと幅広い業種で生きる資格としては、MOS(Microsoft Office Specialist)や秘書検定、ファイナンシャルプランナー(FP)、宅地建物取引士(宅建)、日商簿記などが人気だ。実際、内定者への課題として入社までにTOEICで一定点数以上を獲得することや簿記2級、証券外務員資格などの取得を求める企業もある。

就活生が早めに就活を終了し、そうした資格取得に時間を費やすことはとても有意義だが、社会人になるとなかなか学生時代のようには自由な時間を持てない現実がある。就職活動を終えたら、例えば長期の旅行や運転免許の取得など、時間にゆとりがある時にしかできないことも、忘れずにやっておきたいものだ。

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文 = 大柏真佑実

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