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2023.06.04 10:30

AIやアウトソーシングの影響でホワイトカラー労働市場が激変

Getty Images

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大卒のホワイトカラーがいま、苦難に見舞われている。ブルーカラー労働者よりも職探しに苦労し、大きな雇用不安を抱えているのだ。(求職者が有利だった)大離職時代とは違って、面接を長期にわたって何度も受けねばならず、フィードバックももらえず、新たな雇用機会をなかなか確保することができずにいると、WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙が報じている。

履歴書作成サービス「Professional Resume Writers」が2023年4月、労働者2000人を対象に実施した労働市場調査では「失業するのではないかという不安がある」と回答した人が半数近くに上った。企業内のポジション別では「不安だ」と回答した割合が最も多かったのは経営幹部で、66%だった。

不安の原因

企業のレイオフ関連データを提供している「Layoffs.fyi」によれば、テック業界だけをとっても、2023年に入ってから約19万8000人がレイオフされた。米国では、プロフェッショナルの雇用機会が減少傾向にあり、米労働省労働統計局が公表したデータでは、2022年末以降、求人数が50万件近く減っていること明らかになっている。

低賃金の求人はいまだに十分に存在しているが(特に、レジャーおよびホスピタリティ業界)、インターネットを使った在宅勤務が可能な「ラップトップ・クラス」と呼ばれるナレッジワーカーの採用は鈍っている

ホワイトカラー労働者が不安に思う情報はそればかりではない。Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は2023年3月、人工知能(AI)の台頭に関して憂慮すべき内容の調査報告書を発表した。急成長するAIの影響で、3億もの仕事が消滅または減少する可能性があるというのだ。

AIによる自動化で影響を受けるのは、事務の補助業務や法律、建築、エンジニアリング、事業運営および経理業務、マネジメント、営業、ヘルスケア、アートやデザイン分野などだ。

2023年に入ってからは、IBMとオンライン学習企業Chegg(チェグ)が、人員削減や採用の一時中止を発表している。業務の多くがAIで対応可能だと、経営サイドが判断したためだ。

企業はまた、人件費が安価な国々への業務委託を加速させている。アトランタ連邦準備銀行が実施した最新調査では、米国内でのリモートワーク移行に続く次のステップとして、業務の海外移転を計画していると回答した米企業幹部は7.3%に上った。

スタンフォード大学の経済学教授で、職場事情に詳しいニコラス・ブルームはWSJ紙に対し、こう述べている。「米国ではソフトウェア開発、人事、給与管理といったサービス支援業務の10%から20%が、今後10年で海外に委託される可能性がある」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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