彼が設立したナレッジプラットフォームの「Sana」は5月31日、2800万ドルを追加調達し、昨年12月のシリーズBラウンドの合計調達額が6200万ドルに上昇し、評価額が2億5000万ドル(約350億円)に達したと発表した。このラウンドは、NEAが主導しWorkday Venturesが参加した。Sanaの累計調達額は8000万ドルに到達した。
ストックホルムを拠点とするSanaのソフトウェアは、OpenAIのWhisperやGPT-4、Dall-E、AnthropicのClaude、グーグルのPaLMなどの8種類のAIシステムと大規模言語モデル(LLM)を使用しており、特定のタスクに最も適したモデルを選択する。同社のシステムは、企業の独自の情報を秘匿するように設計されている。
ヘラーマークによるとSanaは、SlackやGitHub、グーグルのワークプレイス、Notionといった企業のすべてのアプリを検索し、100ミリ秒以内に結果を返すという。同社は、エンタープライズ検索のユニコーンのGleanや、企業向けAIスタートアップのTypeface、元OpenAI社員が設立したAdeptなどと競合している。
NEA の英国支社のマネージングディレクターであるフィリップ・チョピンは、2022年にフィンランドで開催されたスタートアップイベントでヘラーマークと出会い、Sanaのプロダクトに魅了されたと語った。
フォーブスの30アンダー30出身のヘラーマークは、スポティファイを例に挙げ、「スウェーデン人にはユニークなユーザー体験を生み出す能力がある。私のプロダクトにも北欧のエッセンスを取り入れたい」と話す。
Sanaは、フィンテック企業のKlarnaや製薬ブランドのMerckなど、ヘルスケアや銀行などの分野で約200社の企業顧客と30万人の個人ユーザーを抱えている。ロンドン、ストックホルム、ニューヨークにオフィスを構える同社は、新たな調達資金を製品開発と70名の従業員チームの拡大に充てる予定という。
東京で育ったヘラーマークは、13歳でコーディングを始め、14歳で動画関連の企業を設立した。彼は、デジタル広告代理店での勤務を経て、19歳でAIラボとしてSanaを立ち上げた。ヘラーマークは、大学には通わなかったが、スタンフォード大学の講座でプログラミングを学んだという。
「地球上のすべての人々が、あらゆる知識を持ち、どんなタスクでも解決できるようにあなたを助けてくれる専門家をポケットの中に持っている世界を想像してみてほしい」と、彼は語った。
(forbes.com 原文)