気候変動と食料価格の上昇により、アジア地域では10億人以上が十分な食料を得ることができない状況にあり、長期的な食料安全保障が脅かされています。
データとAIは、農家がより多くの情報に基づいた意思決定を行い、生産性を高めて収穫を増やすのに役立ちます。本題についてWEFのアジェンダからご紹介します。
私は、シロンという小さな街で育ちました。「東洋のスコットランド」と呼ばれる美しい避暑地であるこの街は、お茶の栽培が盛んなアッサム地方からそう遠くないインドの北東部に位置しています。バングラデシュとの国境付近の世界で最も雨の多い場所からは、50マイルほど離れたところにあります。
経済的な不平等を目の当たりにして育ったことで、私は、より広いコミュニティが抱えている問題を理解しようと努めることと、多くの人々がただ生きのびるために日々何をしているかを理解することを学びました。私たちは皆、もっとできることがあるはずです。
アジアは、世界の農地の5分の1の面積しかない中で、世界人口の半数以上を擁しています。気候変動と食料価格の上昇は、長期的な食料安全保障に対する重大な脅威であり、アジア地域全体で10億人以上が十分な食料を得ることができていません。この状況は、国連が「前例のない食料緊急事態」と呼ぶ世界的なトレンドの一部です。
農業生産性の向上の鈍化と、天然資源の乱獲、水不足の深刻化が、アジアの食料需要を満たすことを困難にしています。供給が需要に追いつかない限り、この地域がより都市化し、豊かになるにつれて食料価格は上昇し続けるでしょう。増加するアジアの人口をより持続的かつ効率的に養うためには、食料の生産方法を変えなければなりません。
AI(人工知能)、センサー、ドローンなどのテクノロジーは、農業の生産性、食品の安全性、農業食品システムの持続可能性を高めるのに役立ちます。土壌が、より良い農法によって気候変動を緩和したり、カーボンフットプリントを最小限に抑えた製品を顧客に提供したりと、アジアの農業と食品のバリューチェーンは、イノベーションの呼び水となっています。