このラウンドには、既存投資家のMonk's Hill Venturesのほか、ICU Ventures、Granite Oak、Korea Investment Partners、Golden Equator Ventures、Atlas Venturesらが参加した。設立4年のYコンビネータ出身のJenfiの累計調達額は、今回のラウンドで3790万ドル(約52億5000万円)に達した。
Headline Asiaのパートナーの岡本彰彦は「当社は、レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF、収益還元型金融)分野の調査を行い、アジアにおけるこの分野の企業の大半と会ったが、その中で最も傑出していたのがJenfiだった。彼らの技術や製品、オペレーション、ユーザー数の伸びは、同業他社を格段に上回っている」と声明で述べた。
Jenfiは、東南アジアのデジタルネイティブ企業に「将来の売上」を主な判断基準とする融資と分析サービスを提供し、最大100万ドルを融資している。企業は、この融資で株式を希薄化せずに資金を調達することができ、マーケティングキャンペーンや在庫管理などに充当することができる。同社は、2019年のサービスリリース以来、600社以上に2500万ドル以上を融資したという。
融資は、最短で申込日の翌日に実行される。この迅速な承認を可能にしているのは、自動化されたリスク評価エンジンだ。Jenfiは、個々の企業からXeroなどの会計ソフトやShopifyのようなEコマースプラットフォーム、グーグルやフェイスブックの広告ツールなどのデータを取得し、信用審査とモニタリングを行っている。
Jenfiは今回調達した資金を用いて信用審査とリスク評価ツールのスピードと精度を向上させると同時に、シンガポールやベトナム、インドネシアにおける顧客基盤の拡大を図る予定だ。
東南アジアでは、まだ勃興期にあるフィンテック分野をターゲットにしたスタートアップの取組みが活発化している。昨年9月には、香港に本拠を置くフィンテックのユニコーンである「WeLab」が、未発達なインドネシアのデジタルバンキング市場をターゲットに、香港のJardine MathesonのAstra Internationalとともにインドネシアの銀行Jasa Jakarta(BJJ)を買収した。
また、昨年6月には「Finhay」がベトナムで事業を拡大するため、シンガポール本拠のOpenspace Venturesが主導したシリーズBラウンドで2500万ドルを調達した。同月には、フィリピンの財務管理アプリ「Lista」が、同じくOpenspace Venturesが主導したシリーズAラウンドで510万ドルを調達していた。
(forbes.com 原文)