海外も狙う和製メタバースのクラスターが52億円の資金調達 教育分野も睨む

プレスリリースより(以下同)

和製メタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターは5月17日、シリーズDで合計52億円の資金調達を実施したことを発表した。同社はこれまで14億円を調達しており、今回で累計調達額は66億円となる。

引受先は、スパークス・アセット・マネジメントをリードインベスターとし、SBIインベストメント、オリックス、KDDI Open Innovation Fund 3号、スカイランドベンチャーズ、三井住友信託銀行、NOBUNAGAキャピタルビレッジの7社。

「Cluster」は、バーチャルSNSやソーシャルVRと呼ばれる、3D空間のコミュニケーションプラットフォーム。VRゴーグルなしで、スマホやPCなどからアクセスできることが特徴で、誰もがバーチャル上で音楽ライブ、カンファレンスなどのイベントに参加したり、友達と常設ワールドやゲームで遊ぶことができる。

日本のメタバースにおける先駆的な取り組みとして知られ、3年目の開催となった「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2022」には、世界中から延べ約30万人が参加した。また、同社は法人向けサービスでも豊富な実績があり、4月27日には大日本印刷とAKIBA観光協議会が開発した「バーチャル秋葉原」の「cluster」版をオープン。企業ごとに独立したバーチャル空間を提供し、企業が外部のECサイトへの誘導やカンファレンス、展示イベントでも利用できる機能を提供している。
バーチャル秋葉原(プレスリリースより)バーチャル秋葉原

代表取締役の加藤直人氏は、国内最大規模を誇る同社のメタバースプラットフォームについて、「バーチャル空間におけるコミュニケーションやエンターテインメントはもちろん、教育やビジネス、さらには新たな産業の創出にもつながる可能性を秘めています。私たちは、このプラットフォームが様々な分野で革新をもたらし、より多くの人々が恩恵を受けられる世界を実現するために全力を尽くします」とコメント。

同社は今回の資金調達により、海外展開をはじめ法人客とクリエイターが「cluster」を活用できるサービスを展開する子会社の設立、教育分野への進出など、事業拡大に向けてプロダクト開発とマーケティングの強化を図っていくことを明らかにした。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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