宇宙

2023.05.16 14:00

この1週間は天体観測に最適、三日月と木星が共演する今週の夜空

遠藤宗生

今週、三日月が木星と接近する(Getty Images)

今週は新月のため、一週間ずっと夜空が暗くなり、今月で最高の天体観測週間となる。天体観測旅行やイベントを計画するのにはうってつけだが、裏庭で1回だけ夜空を眺めるのもいい。ただ、今週最も魅力的な光景は、欠けていく三日月が木星の隣に見えることで、世界の一部地域では木星が月に隠れるところも見ることができる。

5月18日木曜日の明け方:木星が月と接近

日の出の直前に起きて、東を見てみよう。細い三日月が、木星と接近する素晴らしい光景が見える。(編集者注:日本からは同時に、水星も月に接近する様子が見れる)

カナダ、米国本土、メキシコ、グリーンランド、スカンジナビア北部、英国北部のいずれかに住んでいる人は17日の水曜日に、三日月が木星を隠す「掩蔽(えんぺい)」を見ることができる。

5月19日金曜日~20日土曜日:新月

日本時間の20日午前0時53分、天体観測者にとって今月最もうれしい瞬間である新月が訪れる。地球の衛星である月が、宇宙で地球と太陽のほぼ真ん中に来るこの月相(げっそう)により、夜空から月の光が完全になくなる。天体観測には最適なのはこの夜だが、良い状態は一週間ずっと続く。

今週の星座:おおぐま座

おおぐま座については、誤解も多い。グーグルで検索すると、「北斗七星の別名」だと紹介するページも出てくるが、これは間違いだ。北斗七星はおおぐま座の中にあるが、おおぐま座の腰から尻尾の部分を構成する一部にすぎない。

今月、空高くに昇るこの広大な星座を見つけられれば、今後見つけるのに困ることはないだろう。

今週の天体:ミザールとアルコル

柄杓の形をしている北斗七星の柄の上から2番目の星を観測すると、そこには実際には2つの星「ミザール」と「アルコル」があることに気づくだろう。一部の地域では「Horse and Rider(馬と乗り手)」としても知られるこれらの星は、目が良い人なら肉眼で区別できるため、かつて視力検査に使われていた。

ミザールとアルコルは、相互に繋がってはおらず、それぞれが多重連星系だ。大きい方のミザールは、4つの恒星からなる星系。小さい方のアルコルは、2つの恒星で構成されている。

自分のいる場所での観測日時や方角についての正確な情報は、StellariumやThe Sky Liveなどのオンラインプラネタリウムを参照してほしい。 住んでいる場所の、惑星の出/惑星の入り日の出/日の入り月の出/月の入りの時刻をチェックしておくことをお勧めする(訳注:気象庁のサイトはこちら)。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

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