Twitter(ツイッター)のオーナーであるイーロン・マスクは11日「新しいCEO(最高経営責任者)を採用した」とツイッターに
投稿した。マスクは名前は明らかにしていないが、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は関係者の話として、米メディア・娯楽大手NBCユニバーサルの広告部門トップ、リンダ・ヤッカリーノがツイッターの新CEOに就く方向で協議していると報じた。
「X/ツイッターの新しいCEOを採用したと発表できてわくわくしている。彼女は遅くとも6週間後には仕事を始める!」とマスクはツイートした(編集注:ツイッターはマスクの法人X Corp.(Xコーポレーション)に合併されている)。自身は会長兼最高技術責任者(CTO)となり、製品とソフトウェア、システム運営を統括するとしている。
WSJによるとヤッカリーノは2011年からNBCユニバーサルに在籍。広告付きストリーミングサービス「Peacock」の立ち上げにもかかわった。
ヤッカリーノのコメントは現時点で得られていない。
マスクは昨年末、自身がツイッターのトップを退くべきかツイッター上で投票を募った結果「そうすべき」という回答が過半数を占めたことから、退任を示唆していた。今年2月には、年末までに新しいCEOを迎え入れる方針を示していた。
マスクはツイッターのほかに、Tesla(テスラ)とSpaceX(スペースX)も所有している。ブルームバーグによると、テスラの一部の投資家は先月、マスクはツイッターでの仕事に気を取られ、テスラの経営がずさんになっていると批判。テスラのCEOとしてのマスクの仕事ぶりについて審議する取締役会の開催まで要求しているという。
マスクのツイート後、テスラの株価は2%強上昇した。
マスクは昨年10月に440億ドル(当時のレートで約6兆4000億円)でツイッターを買収したあと、会社のリストラを断行。ツイッターのサービスについても仕様の変更や「スーパーアプリ」化に向けた新機能の追加などを相次いで行っている。最近はダイレクトメッセージ(DM)を暗号化する機能を加えたほか、音声やビデオ通話などの導入も
発表した。
一方で、マスクがモデレーション(投稿の監視や削除)ポリシーを緩くしたり、欧米の一部メディアのアカウントに「政府関係メディア」といった
ラベルを表示したりしたことなどには批判が集まった。マスクによる買収完了から2カ月足らずのうちに、アップルやゼネラル・モーターズ(GM)、ユナイテッド航空などを含む広告主がツイッターから広告を引き揚げた。
マスクは先月、多くの広告主が戻ってきていると主張し、収支は「ほぼとんとん」だと
語っている。
(
forbes.com 原文)