経済

2023.04.13

ツイッター収支は「とんとん」 マスク、ヘイトや誤情報の懸念一蹴

Jonathan Raa/NurPhoto via Getty Images

イーロン・マスクは11日夜、BBCのインタビューで、自身が買収したTwitter(ツイッター)では一時撤退していた広告主の大半が戻ってきており、現在の収支は「とんとん」だと述べた。同サイト上で増加するヘイトスピーチや誤情報については、懸念すべき問題ではないと一蹴した。

「Twitterスペース」で配信されたこのインタビューで、マスクはツイッターで行った大量解雇について、買収時に「8000人弱」いた従業員を1500人前後に減らしたと説明。

ツイッター上で増加するヘイトスピーチについて問われると、いらだちをあらわに反論。BBC記者に対してヘイトスピーチの例を挙げるよう求めた上で、「ひとつも挙げられない。あなたはたった今、うそをついた」と非難した。

新型コロナウイルスをめぐる誤情報の問題については、「コロナはもはや問題ではない」とコメント。BBCがマスク着用やワクチンに関する誤情報を広めているという誤った主張を展開した。

インタビューではこの他、自分はサンフランシスコにあるツイッター本社の資料室にあるソファで眠ることもあると告白。自分は「もうCEOではない。飼い犬のフロキが後を継いだ」とのジョークも飛ばした。マスクは2カ月前にも、ツイッターに同じ冗談を投稿していた。

フォーブスの推定では、マスクの保有資産額は1891億ドル(約25兆円)で、世界2位となっている。だがインタビューでは資産額の公表を拒み、自分は「とても金持ち」だとのみ語った。

今回のインタビューは、BBCがツイッターの公式アカウントに追加された「政府出資メディア」との説明書きに異議を唱えたことを受け、急きょ実施された。BBCは声明で、同放送は「常に独立」しており、「ライセンス料を通じて英国民から資金を得ている」と主張した。

マスクはこうした懸念に同調する姿勢を見せ、BBCには「最大限の敬意」を持っているとした上で、正確性を確保するため、公式アカウントの説明を「公共出資」に修正する意向を示した。

マスクはかねて、ツイッターの買収金額が高すぎたと考えていることを公言してきた。インタビューでは、度重なる買収撤回の試みの末、440億ドル(約5兆9000億円)での買収に同意した理由として、いずれにせよ裁判所からこの額での買収を命じられる見通しだったと説明した。

マスクは11日のツイートで、有料サブスクリクションサービスの「Twitter Blue」に加入していない「従来の認証済み」アカウントについては、20日までに青い認証バッジを削除すると発表していた。BBCとのインタビューでも、この方針を改めて示した。

マスクはこのところ、民主党に対する批判を強め、有権者に共和党への投票を呼び掛けるにも至っている。BBCに対しては「国民の半分近くがトランプに投票した」と指摘しつつも、「私はその1人ではない」と語った。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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