北米

2023.05.10 12:00

マスクがまたもやデマ情報を拡散、テキサス銃乱射事件で

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イーロン・マスクは今週、ツイッターのユーザーたちとのやり取りで、週末にテキサス州のアウトレットモールで8人が死亡した銃乱射事件の容疑者の極右思想とのつながりを疑問視した。これは、マスクが根拠のない陰謀論を支持する最新の事例の1つだ。

複数のメディアが5月8日、容疑者がロシアのソーシャルメディアを利用していたと報じたが、一部のSNSユーザーが、その理由を疑問視する投稿を行った。マスクは、この投稿に「おかしな話だ」とリプライした。

さらに、9日には容疑者の極右との関わりを疑問視する複数のツイートに対し、マスクは、容疑者の背景についての情報が「奇妙だ」と述べた。そして、この銃撃事件を「psyop(心理作戦)」と呼んだが、この用語は陰謀論者が政府の関与を示唆する場合によく用いるものだ。

マスクはさらに、容疑者のモーリシオ・ガルシア(33)のオンライン上のプロフィールが偽物ではないかと指摘した投稿に対し「非常に奇妙だ」と返信し、プロフィールの真偽を確認したリサーチャーを「CIAの工作員」と呼んだ(このプロフィールは調査報道機関のBellingcatによって確認された)。

一方で、マスクは9日のツイートで、容疑者の極右との関係が本当かもしれないと述べつつ「こんなに矛盾した主張には厳格な検証が必要だ」と付け加えた。

当局によると、ガルシアは6日午後にダラス近郊のアウトレットモールで8人を殺害し、数人を負傷させた後、現場で警察に射殺された。複数のメディアは、銃撃犯が「RWDS」という文字が入ったワッペンを胸につけていたと報じている。

「RWDS」はオンラインのネオナチサークルで「Right Wing Death Squad(右翼死の部隊)」の略称として一般的になり、極右団体のプラウド・ボーイズなどにも使用されている。

ローリング・ストーン誌が入手した連邦警察(FBI)の文書では、ガルシアがSNS上で白人至上主義とネオナチの見解を表明していたことが示されている。また、ガルシアがロシアのSNSのOK.RUのアカウントを所有していることをニューヨーク・タイムズらが報じており、彼は昨年9月以降に、このプラットフォームを使用して反ユダヤ主義や女性差別主義、人種差別的なメッセージを投稿していたという。このアカウントは、銃撃事件が発生したダラス近郊のモールの画像を掲載していた。

マスクは、以前もデマ情報の拡散に関与したことで知られている。昨年、前下院議長のナンシー・ペロシの夫がカリフォルニア州の自宅で襲撃された後、マスクは、ペロシの夫が襲撃犯と同性愛バーで会っていたという陰謀論をツイートし、後に削除した。彼はその後、このツイートについて謝罪した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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