”怒り”という感情を差し引き、一枚一枚カードを変えていく
さて、スターロディーはコミュニティの支持を受けた新オーナーシップチームから選出されたCEOだが、どのような背景がありCEOになったのか?スターロディー:2021年夏にオニフォースがデビューした際に、私は1ファンとしてこのプロジェクトを観ていました。アートサイトを運営していたので、IMCMPLXが生み出すアート性が高いこのプロジェクトに一気に魅了されました。
当時はとても単価が高く手に入るものではなかったので、憧れのプロジェクトとしてみていました。ただ、サンノゼのコミコンイベント向けに映像を作ったり、少しずつコミュニティに参加していきました。当初は週末ボランティア的に参加していたのですが、徐々にプロダクトマネージメント的な側面も任されるようになってきました。
ブルーチップ(NFTプロジェクトの中でも一流と認められているもの、Bored ApeやCryptoPunks、Azuki、Doodle、CloneXなどが挙げられるオニフォースもその一部と言われた)のプロジェクトに参加することは、自分のキャリアにもつながるという思いもあったのですが、何よりもコミュニティの熱量が凄かったのです。
オニフォースへの夢や愛を語る方や、オニフォースのアニメや漫画化を進める上で一緒につくりあげてくれるようなアーティストも多々いて、このコミュニティに貢献したいと思い、2023年3月にCEOになりました。あとは、アートが大好きなので当オニフォースのアーティスト、IMCMPLXと一緒に仕事ができるというのが大きな決め手でもありました。
![0N1 Force CEOスターロディー(Starlody)](https://images.forbesjapan.com/media/article/63073/images/editor/295f95d4e77688b455251d53086e5277c6873d0e.jpg?w=1200)
IMCMPLX:私はオニフォースのアートを担当しており、創業メンバーの一人なのですが、最初スターロディーがメンバーとして参加したときには「本当にこの人で大丈夫なのか?」と心配になりました。というのは、彼が参加した当時はコミュニティが当プロジェクトに対して怒っており、また、内部統制も出来てない状態だったので、そのような渦中で誰が沈静化できるものか、という懐疑的な視点だったからです。
ただ、スターロディーがコミュニティの怒りを真摯に聞きながら、内部統制を進めてコミュニティプラン、オニフォース未来ストラテジーを作ってくれる姿勢を見て、この人であれば一緒にできるかも、と思い仲間になってもらいました。
スターロディー:コミュニティが怒っている理由は非常に明確です。彼らはオニフォースプロジェクトが大好きなのです。なので、怒りという感情を引いて、彼らの発言の真意を抜き出し、ロードマップに反映することでこのプロジェクト&コミュニティには素晴らしい未来が訪れることが私には感じられました。
Web3プロジェクトとして動く、ということはコミュニティと呼応しながら進める必要があるので、彼らのメッセージを感情に左右されずに抜き出すのが大事です。そしてWeb3コミュニティの特徴は「分散型」なので、一人ひとりの意見も違います。一気にトップダウンで決めていこうとせずに、カードを一枚一枚変えていくような地道な作業の連続を心掛けることも大事です。