アート

2023.05.13 10:00

「コミュニティがCEOを選ぶ時代」 Web3アクセラレーター0N1 FORCE

0N1 Forceチーム。左からアーティストのIMCMPLX、CEOスターロディー、NORI 0N1 Forceコミュニティが作った作品を背景に取材を行った

0N1 FORCE(オニフォース)というプロジェクトをご存知だろうか?スティーブ・アオキをはじめ、米国の起業家やミュージシャン、メディア関係者が登場時に熱狂しホルダーとなった2021年スタートのNFTプロジェクトだ。

日本人には馴染みのある「オニ」やバリの神様、戦士などがアーティストのアイアムコンプレックス(IMCMPLX)の手描きで7777体生み出され、そのキャラクターを中心とした漫画やアニメを生み出していくことをコミュニティ・ミッションとし、2021年当初は話題のプロジェクトとして盛り上がったが、その後コミュニティと運営側のトラブル(コミュニティを大切にしない態度が仇となった)があり、一時期いわゆる「オワコン」プロジェクト的な扱いをされていた。そのオニフォースが再興の兆しを見せている。

日本はいまWeb3/DAOというコミュニティベースの運営というものを注視している。私自身もデジタル庁からスピンオフしたWeb3研究会DAOに所属しているが、理想として「コミュニティ中心のプロジェクト」を語っても、今までのトップダウン的にプロジェクトを進めていた経験がある人たちには頭で理解しつつも、行動には移しづらいところもある。

一方、オニフォースは一度コミュニティメンバーの怒りを買いつつも、現在またコミュニティに寄り添い盛り上がりを見せている。しかも新しいCEOはコミュニティマネージャーだった人物が逆境の中、支持を得てCEOになったという。

どうしたらコミュニティに愛される組織運営が可能になるのか?そのヒントをオニフォースのCEO スターロディー(Starlody)、アーティストのアイアムコンプレックス(以下:IMCMPLX)、オニフォース日本代表のNORIに取材した。

CEOのスターロディーはサンフランシスコ、アーティストのIMCMPLXはインドネシア・バリ在住だ。今回の来日ツアーのタイトルは「REBORN-再生」。日本に多大なるインスピレーションを受けたプロジェクトとして、オニフォースが大事にしている日本の文化やコミュニティと共に新たなインスピレーションを受ける為に再始動するために東京に集まった。

コミュニティが描くオニフォースの世界観を表彰し、コミュニティとともに食事をする。KANSAIMAN(寛斎スーパースタジオ)とタッグを組んで、優れた作品はボンバージャケットに刺繍をしてプレゼントをする嬉しい特典付きだ。他のアート作品もEDGEoffという代官山にあるギャラリーで展示されており、オニフォースNFTホルダーのクリエイターにとっては自分の作品を披露する機会が多く提供されていた。

私もいくつかのオニフォース日本国内イベントに参加させてもらったのだが、非常にアットホームな温かい空間であり、過去のコミュニティに対する不義理を二度と繰り返さないという決意があらゆるところで見受けられた。
次ページ > ”怒り”という感情を差し引き、一枚一枚カードを変えていく

文=西村真里子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事