しかし懸命に愛情を注いだ子供が巣立った後、「自分の役割がなくなってしまった」と強い寂しさや喪失感を感じ、空の巣症候群という一種の適応障害に見舞われてしまう母親もいる。そうならないためには、子育て中から先を見越して子育て以外の趣味や生きがいを見つけるなどといった対策を取ることが有効だという。
博報堂DYホールディングスのグループ会社、Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」は母の日(5月14日)を前に、子どもを持つ20~80代の女性240名を対象に、母親にとっての人生100年時代の幸せをテーマにした意識調査を実施。
現在、子育て以外に日常の中で楽しみながら行っていることや、好きなこと、夢中になれることが1つでもあるかを尋ねたところ、77.1%の母親が「ある」と回答。一方で、「ない」と答えた母親も2割強存在した。
さらに人生100年時代、100歳まで生きたいと思うか、を質問すると、子育て以外に夢中になれることがある母親の27%が「そう思う」と答え、夢中になれることがない母親(18.2%)の約1.5倍高くなった。
また、子育てについて「総合して明るい気分で取り組めている(いた)と思う」と答えた割合が、子育て以外に夢中になれることがある人では30.8%に上ったのに対し、ない人では14.5%はとどまり、約2.1倍の差が開いた。子育て後の過ごし方については、「終わってからの人生も充実すると思う」と考えている割合が、子育て以外に夢中になれることがある人では34.6%となり、ない人(7.3%)の約4.7倍に。
母親は夢中になれることを見つけることで、子育てに楽しく、明るい気分で取り組めるだけでなく、子育てが終わってからの人生も「幸せになりそう」「充実しそう」という期待を持てることが明らかになった。本調査結果について、100年生活者研究所 研究員の瀧野 美桜氏は、次のようにコメント。
「これまで母の日には、日頃の感謝を伝えるために花や手紙を渡したり、家事を手伝ったりする人が多かったと思います。そんな気持ちが伝わるプレゼントがうれしいのはもちろんですが、人生100年時代においては趣味や好きなことに関連したものや、新しい出会いにつながりそうな体験を贈ることで、母親が人生を末永く幸せに過ごすヒントを得られるかもしれません」
母の日のプレゼント選びの参考にしてみてはいかがだろうか。
※厚生労働省 令和3年人口動態統計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/kekka.pdf
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