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2023.04.26 13:25

空気を通すが音は通さない新素材、落合陽一の会社が発表

リリースベース(松村)

プレスリリースより

音は空気で伝わりますが、空気を通したまま音だけ抑えるという不思議な遮音材が開発されました。電気も特殊な素材も使わず、独特な形状で遮音する仕組みなので、広い分野での利用が期待されます。

メディアアーティストとしても名高い落合陽一氏が代表取締役を務め、吸音メタマテリアル技術などデジタルと物理世界をつなぐ波動制御技術を研究開発するピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)が発表したこの遮音材は、遮音性と通気性という相反する性質を共有します。

現代社会では、遮音材で覆って騒音を抑えたいが換気や排熱のためにどうしても開口部を設けなければならない、または車両の騒音を遮ろうにも風圧の関係で防音壁が作れないなど、遮音と通気性を両立させなければならないケースが数多くあります。PxDTはそれを「逆位相に散乱させる構造」を持つメタマテリアルで解決しました。

メタマテリアルとは自然界に存在しない特別な機能を持った素材のことを言いますが、この場合は、入って来た騒音の音波を、逆位相(波長が裏返し)の音波を発生させて打ち消す新素材ということです。ノイズキャンセラーヘッドホンと同じ原理ですが、音響装置を使わず、構造的にそれを実現しています。開口率50パーセントでも30デシベルの低減が可能ということです。

この性能は形状によってもたらされるため、材質は選びません。間伐材や再生材など、環境に配慮した材料で作ることが可能です。また、特定の音域のみ、または全般的に遮音するようチューニングができ、さまざまなニーズに対応できます。

現在、PxDTではこの遮音材の社会実装に協力できるパートナー企業を募集しています。また、4月26日から28日まで東京ビッグサイトで開かれる「オルガテック東京2023」に展示される予定です。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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