オラクルと、元グーグルのデータサイエンティストでニューヨークタイムズのベストセラー作家セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ(Seth Stephens-Davidowitz)は1月、共同研究「意思決定のジレンマ(The Decision Dilemma)」において、日本を含む世界17カ国、1万4250人のビジネスリーダーと従業員を対象に、意思決定に関する調査を実施した。
その中で、全体の74%が毎日の意思決定が過去3年間で10倍に増えたと答え、86%がデータ量の増加により、仕事や私生活での意思決定がより複雑になっていると回答。ビジネスリーダーの85%が、過去1年間で意思決定に対して後悔、罪悪感、疑問などを抱く「意思決定の苦悩」を経験していることが分かった。
さらに意思決定の改善やリスク低減、迅速化などを目的に、ビジネスリーダーの97%がデータを活用したいと考えているものの、現実には72%が膨大な量のデータとそれらに対する信頼の欠如が、意思決定を妨げていると認識。70%が、膨大なデータの収集と解釈はとても手に負えないほどの悩みの種だと答えた。
そうした厳しい状況から、全体の64%、ビジネスリーダーの70%が意思決定にまつわる困難が消え去り、ロボット/AIに意志決定させることを望んでいることが判明した。
ビッグデータ分析で人間と社会の真相に迫る「Everybody Lies and Don't Trust Your Gut(邦題:誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性 )」の著者であるセス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツは、今回の調査で様々なチャネルから流通する圧倒的な情報量のインプットが、頻繁に脳が処理できる範囲を上回っていることが明らかになったと説明。さらに、次のように企業の対策を提言した。
「人は複雑で、時には相反するデータを無視して、ただ正しいと感じることを実行したくなる傾向があります。しかし、それは大きな間違いとなることがあります。直感は迷いを生むものであり、関連するデータを適切に理解した上で意思決定を行うことが最適であることは、繰り返し証明されてきました。手元のデータ・ストリームを管理し、企業がシグナルとノイズを区別できる方法を見つけることが、重要な第一歩となります」
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