ヤゲオは、ここ数カ月の間に欧州での複数の取り組みを発表している。創業46年の同社の電子部品は、携帯電話からタブレットPC、自動車に至るまで、あらゆるものに使われている。
台湾の大富豪のピエール・チェン(陳泰銘)が設立し、会長を務めるヤゲオは昨年10月、フランスの電子機器メーカー、シュナイダーエレクトリックのハイエンド産業用センサー部門である「Telemecanique Sensors」を現金7億2900万ドルで買収すると発表した。また、同じ月に、産業用および自動車用の薄膜温度センサーを製造するドイツのセンサーメーカーの「ヘレウス・ネクセンソス」を7800万ドルで買収すると発表した。
ヤゲオは、人口200万人以下のバルカン半島の国の北マケドニアにグリーンフィード投資(投資先国に法人を設立する形態の投資)を行い、技術産業開発区にある施設で3900人の新規雇用を創出する計画だ。
2020年にヤゲオが18億ドルで買収した米国企業のケメットは、すでに同国で2つの工場と研究開発センターを運営している。
「北マケドニアと当社は、長期的なビジネスパートナーシップを維持し、主に電気自動車(EV)用のコンデンサを生産している」と、チェンは17日の声明で述べた。彼は、北マケドニアの立地や安定した金融政策、企業に有利な税制や労働コストなどを評価し「当社のグループが欧州で事業規模を拡大し続けるための理想的な場所だ」と述べている。
保有資産が56億ドルと推定されるチェンは、現代美術のコレクターとしても知られている。彼が設立した台湾ヤゲオ財団は、フランシス・ベーコンやアンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒターなどの作品を所蔵することで有名だ
世界第22位の経済大国である台湾は、半導体大手のTSMCに加え、フォックスコンやペガトロン、ラーガン・プレシジョンなどの多数のアップルのサプライヤーの母国として知られている。
(forbes.com 原文)