父から子へ、20年かけて挑む究極の循環型ビジネス

ASTRA FOOD PLAN代表の加納千裕氏と父であり相談役の加納勉氏


フードパウダーと言えば、コオロギパウダーが話題だが、加納氏はどう考えているのだろうか。
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「コオロギも過熱蒸煎機で、栄養価を失うことなくパウダー状にすることは可能です。でも、実際にたくさんの廃棄される野菜があるので、まずはそれを食べられるようにした方が自然な流れなのではないかと思います。また、うちの野菜パウダーは味わいはもちろん、香りや発色も良く、栄養価も損なわれないので、ヴィーガンの食材や料理と相性が良いんです。そういった商品開発は積極的にしていきたいですね」

地域の課題解決の力に

ASTRA FOOD PLANでは今後、過熱蒸煎機をレンタルするサブスクモデルを展開し、より気軽にかくれフードロス問題に取り組む企業を増やしていく。また、そこから生まれたパウダーを買い取り、「ぐるりこ」という自社ブランドとして付加価値を高め、流通先や量を増やしていく計画を進めている。それと並行して力を入れていくのが、地域の課題解決だ。

にんじんやたまねぎなどの野菜から、しいたけ、昆布などの出汁に使える食材まで幅広く対応。

にんじんやたまねぎなどの野菜から、しいたけ、昆布などの出汁に使える食材まで幅広く対応。


地域に一つ過熱蒸煎機のある場所を作り、そこに農家さんが規格外の野菜を持ち込んでパウダー化し、それを同社が買い取って販売するという仕組みだ。

「地元のJAや全農さん、自治体との打ち合わせを始めたところなんですけど、こういった地域に根ざした循環型モデルを作りたいと考えています。例えばそのパウダーを学校給食に使いたいという話もあって。そうすると地域内でグルグルと良い循環が生まれるので理想的です。
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かくれフードロスを解決していく中で、さまざまな繋がりが生まれ、それが社会の良い循環となって、無理のない形で私たちの生活に溶け込んでいく。そのような人、企業、地域、社会、地球、すべてにとって心地良い未来のために、長年かけて親子で紡いできた想いやストーリー、サービスがお役に立てれば嬉しい限りです」


加納千裕◎女子栄養大学卒業後、ロック・フィールドにて製造・販売、榮太樓総本舗にて商品開発・ブランディングに携わる。その後、父加納勉氏が創業した会社にて過熱水蒸気ピューレの商品開発、過熱水蒸気オーブンの法人営業を経て、2020年8月にASTRA FOOD PLANを設立し代表取締役社長に就任。

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