モビリティ

2023.04.15 16:00

具象化されたダ・ヴィンチの空への想い ヘリコプターはいま、VIPの人生に何をもたらすか

天才の夢の続きを見せてくれる会社がイタリアにはある

ルネサンス期の天才が後世に託した夢の飛行体、ヘリコプター。いまを生きる私たちに、ダ・ヴィンチの夢の続きを見せてくれる会社がある。その名もレオナルド。大空に想いを馳せた天才に敬意を表して、彼のファーストネームを継いでいる。ヨーロッパを代表する民間・軍用航空機の製造メーカーである同社は、イタリアで航空機の製造禁止が解かれた1952年から、さまざまなヘリコプターの開発に着手し、世界のマーケットを長く牽引してきた。

1967年に開発が始まったタービンエンジン双発型の中型ヘリコプター「A109」シリーズは、現在も生産されている主力機であり、日本でも警察庁などが導入している。また、15席の中型双発ヘリコプター「AW139」は海上保安庁が導入しているほか、近年では救助・救命用として運用される機体数も増加している。

ビジネスとプライベートをより輝かせる「AGUSTA」

レオナルド社が生産しているヘリコプターは、人命救助などの過酷な現場で働く機体だけではない。世界のVIPがプライベートな移動手段として自身で所有するための機体も数多く手がけている。そうしたエグゼクティブ用ヘリコプターブランドが「AGUSTA」だ。ダ・ヴィンチの夢から約4世紀の時を経て、1907年に伯爵ジョバンニ・アグスタが製作した飛行機がイタリアで初飛行に成功した。現在のレオナルド社の始祖となった伯爵に敬意を表し、彼のファミリーネーム「AGUSTA」を冠しているのだ。
Giovanni Agusta(ジョバンニ・アグスタ)|飛行機械に情熱を注いだイタリア貴族。1923年にイタリア最古の航空機メーカーとされてジョバンニ・アグスタ航空会社を設立した。

Giovanni Agusta(ジョバンニ・アグスタ)|飛行機械に情熱を注いだイタリア貴族。1923年にイタリア最古の航空機メーカーとされるジョバンニ・アグスタ航空会社を設立した。


いまでは航空・宇宙・防衛などの分野で活躍する巨大ハイテク企業に成長したレオナルド社が、自身のプライドのすべてを熱く注ぎ込んでいるブランドが「AGUSTA」と言えるだろう。

ビジネスやバケーションのために「ジェットをチャーターする」という手段もある。しかし、より近距離・高頻度でプライベートな空の旅を楽しみたいなら、「ヘリを手に入れる」という選択肢がお勧めである。実際、「AGUSTA」の母国であるイタリアを中心とした欧米の富裕層は仕事や休日の外出で頻繁にヘリコプターを利用しているという。

「AGUSTA」の利用頻度に応じて人生の質が上がっていくことは想像に難くない。丸3年にも及んだコロナ禍は「プライベート空間」の価値を高め、国内のヘリコプターの離着陸を受け入れる環境も増え続けている。「不要不急」の烙印のもとに、奪われてきた数多くの機会がある。いまこそ時間を無駄にすることなく、大切な家族や仲間と一緒に奪われ続けていたものを取り返していきたいと思わないだろうか……。
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Text by Kiyoto Kuniryo | Edit by Yasumasa Akashi

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