●知名度や名声の向上 名門校であるほど、志願者は多くなる。だが、これは合格率の低下を意味する。入学希望者は、合格率が低い学校であれば良い教育を受けられると考えるかもしれないが、実際は両者には相関関係がない。これはむしろ、供給の問題だ。どの大学であっても受け入れられる学生数は限られているのだ。
●教育の品質保証 大学ランキングは教育の質と同義だと考える人が多く、投資に対する安心感を保護者に与えている。ところが、データは必ずしも正確ではない。大学は大きなビジネスだ。コロンビア大学は最近、虚偽の数字を報告したとして批判の的となり、後に
それを認めた。
●比較と評価の材料 入学希望者は、各校を比較するために大学ランキングを利用する。大学ランキングは、第一志望校が自分の希望を満たしているかどうかを確認するのに役立つ。一方で反対派は、ランキングは学生生活の全体像を描くものではなく、学生が大学進学適性試験(SAT)で何点を取ったのかを示すものであると指摘している。全米の大学では、新型コロナウイルスの流行後、入学要件としてのSAT採用を取りやめる動きが相次いでいる。
大学教育の価値が変わりつつあり、それによってランキングの形も変わっていくことは間違いないだろう。学生が4年制大学を選ばなくなるだけでなく、大企業は大学教育より専門的な訓練を受けた応募者を優先するようになってきている。
例えば米
グーグルは、データ分析、ITサポート、プロジェクト管理、UXデザインなどの認定コースを開始。世界中の企業が、この認定コースを資格として認知するようになっている。
米
AT&Tも、オンライン講座大手のユダシティと提携し、IT業界の仕事に就くための訓練を手頃な価格で提供する「ナノ学位」プログラムを複数開設。米
アップルや米
アマゾン、米
ネットフリックスも認定コースを提供している。重要なのは、こうした企業が認定コースの修了生を実際に雇用していることだ。
自分の進路として大学あるいは認定コースのどちらを選ぶにせよ、大学ランキングはうのみにしないようにしよう。ある大学を他校と比較して客観的にランク付けする完璧な方法はない。自分に合うかどうかを判断するには、実際にキャンパスを訪れて学生と話をするのが一番だ。大学の校舎や、周辺の街中を歩いてみよう。大学は、自分が4~6年間過ごすことになる場所だ。誰かが作ったランキングでは分からない魅力があるはずだ。
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forbes.com 原文)