映画で最も印象に残ったのは、マイケル・ジョーダンの母「デロリス・ジョーダン」です。
エアジョーダンが誕生するまで、選手にシューズの売上の一部が入るという仕組みがそもそも存在していませんでした。その仕組みを母であるデロリスが提案します。今では当たり前のようにさまざまなNBA選手が自身のシューズの売上の一部を受け取っています。
その仕組みを息子であるジョーダンの可能性を信じ、提案する母の強さ、そして新しい仕組みを受け入れたナイキの度量にも驚かされました。そして、その結果は......。言うまでもないですよね?
冒頭にお話した通り、現に「僕らが憧れるエアジョーダン」になっています。
映画内で登場する金額の大きさは映画を見て感じてほしいので、ここでは伏せますが、2019年8月28日に「Forbes」が発表したNBA選手のシグネチャーシューズの収入ランキングで、ジョーダンブランドが約138億円でぶっちぎり1位です。ちなみに2位のレブロン・ジェームズが約34億円で、少し前の情報なのですが。ジョーダンが今では「誰もが憧れる存在」ということは、この数字からも感じ取っていただけたのではないでしょうか?
試写会の最後に、映画感想TikTokerのしんのすけさんがお話していましたが、なんとマイケル・ジョーダン自身が今回の母役を演じたヴィオラ・デイヴィスを指名したそうです。
個性的なキャラクターばかり登場する「AIR/エア」ですが、神様ジョーダンの直々のご指名があったくらい、本作においてキーマンとなっておりますので、母デロリスに特に注目しながら、映画を楽しんでもらいたいなと思っております。
どこの国でも母は偉大で、強い存在だと感じました。実際にマイケル・ジョーダンが殿堂入りした際にも、母デロリスについて素晴らしいスピーチをしていますので、気になる方はそちらもぜひチェックしてみてください。
NBA好きの通な楽しみ方
最後に、NBA好きならではの楽しみ方を共有します。本作ではジョーダンと同じ年にドラフトされたNBA選手の名前が数多く登場します。NBA好きなら誰しもが知っている名前ばかり。そんな選手が裏側の会議では、どのようなやり取りがあり専属契約につながるのか?
このあたりの工程を知ることができるのは、NBA好きならではの目線で楽しめる部分だと思います。今のNBAのスター達も、このような会議で名前を挙げられ議論し、提案し、契約まで至っているのだろうか?など妄想全開で本作を楽しむことで、よりNBAも楽しめるのではないでしょうか。
ワクワク、驚き、笑い──たくさんの要素が詰まった素敵な作品でした。ほら、あなたも「AIR/エア」見たくなったでしょ?
NBAで次々と生まれてくるスターたち、そんな選手たちの裏側はきっと映画以上にドラマが溢れていると思いませんか。僕たちと一緒にNBAというリアルなドラマを楽しみましょう!
連載:まっつん&しゃっくの素人NBA入門塾