人間と対話する機能を持つBardは、まず米国と英国の一部ユーザーに公開される。グーグルは同日、ユーザーや対象国、言語を今後徐々に増やしていく方針を明らかにした。
グーグルは、ユーザーがBardを利用するためには同社の検索エンジンとは別のウェブサイトにアクセスする必要があると発表。収益の大半を占める検索サイトと、他社で問題が頻発している実験的技術を切り離すための措置だと説明した。
また、グーグルは先週、ユーザーが指定した要件を基に電子メールを自動作成する機能など、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどを含むクラウドサービス向けにAI搭載機能の提供を開始すると発表している。
米サンフランシスコを拠点とするOpenAIは昨年11月、検索エンジンのようにリンクを提供するだけでなく、複雑な質問に対して人間のように回答できるChatGPTを一般公開した。これに次ぐBardの公開は、AI分野の支配をめぐる競争が加速していることを示した。マイクロソフトは、1月から自社の検索エンジンBing(ビング)にChatGPTのAI技術を導入。同社はここ数年、OpenAIに数十億ドル規模の投資をしており、1月にはAI開発の「加速」に向け、数年間にわたる大型投資を発表した。
だが、AI導入にはいくつかの障害も生じている。グーグルが先月チャットボットを公開する意向を発表した際、ロイター通信はBardが質問に対して誤った回答をしていたと報道。一部の投資家の懸念がグーグルの親会社Alphabet(アルファベット)の株価急落と重なり、アルファベットの時価総額が1000億ドル(約13兆円)消失した。
アルファベットは昨年、研究開発に395億ドル(約5兆2000億円)を投資しており、同社の提出書類によると2021年の316億ドル(約4兆2000億円)から増加している。
(forbes.com 原文)