国内

2023.03.13

「牛の尿」でスケールアップしたい 設備投資をCOEDOビール社長にお悩み相談

環境大善の窪之内誠社長(右)と協同商事の朝霧重治社長

【オンライン師弟相談を終えて】

- 師からの言葉(朝霧社長)

これまで廃棄物の業界は、静脈産業として見なされてきましたが、環境大善にとって「牛の尿」は動脈産業。それが全面に出されても、商品からクリーンな正統派という印象を受けるのはブランディングの効果が出ていると感じます。


「牛の尿」という大きなところからスタートされ、新しい分野を切り開いていくため、既存のニーズに対応するのではなく新しい価値を提示していくことになると思います。私たちもクラフトビールという誰も期待していなかったことを楽しめるように、サービス単体を磨いていくだけでなく、大元にあるビールが素晴らしいという概念を広める「Beer Beautiful」をコンセプトにしています。今後スケールしていく中で、ボーダーは意識して作らなくても海外展開のタネは自然と広がっていくでしょう。ぜひ世界で活動していきましょう。

- 弟分社長の学び(窪之内社長)

朝霧社長の言葉は明快でとても分かりやすかったです。酪農は本当に大変で、牛乳を大量に廃棄し続けている現状があります。身近なところでも、生産調整のために何軒も酪農を辞めていて日本の食の未来は大丈夫なのか心配になります。そのような苦境に直面する酪農家さんの売り上げの足しになるように、私たちは牛の尿を買うビジネスを展開しています。今回改めて、ビジョンを信じて愚直に続けていくことで世界の市場も必然と開いていくんだろうなと思えました。今後も、朝霧社長と農業について一緒に深堀りできる機会があれば嬉しいですね。


窪之内 誠◎環境大善株式会社代表取締役社長。北海道北見市出身。大学卒業後は18年間地元の事務機器の販売会社に勤務。営業からマーケティングまで幅広く担当。2016年、父である窪之内覚氏 (現 会長) が立ち上げた株式会社環境ダイゼン (現環境大善株式会社)取締役に就任 。019年より現職に就任。「地球の健康を見つめる」というコーポレートスローガンを掲げ、2020年には 「土、 水、 空気研究所」 を設立。リブランディングや研究開発など様々な取り組みを行う。趣味は登山とカメラ。グリーンシーズンには毎週のように知床をはじめとした道東の山々に出かける。

朝霧 重治◎株式会社協同商事代表取締役社長。埼玉県川越市生まれ。一橋大学卒業後、三菱重工に入社し、海外向け輸出プラントに従事する。1年半後、義父が経営していた協同商事に入社。ビール事業部門を再構築し、「COEDOビール」のブランドで新たにスタート。翌年から欧米のコンテストで製品の受賞が続く。現在、代表取締役社長として、COEDOビールをはじめとする様々な事業を展開している。




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(本記事はウェブ電通報にも掲載)

文=督あかり

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