「まず『思考性』です。前向きな考え方をしているのか、反対に後ろ向きな考えが多いのか。相手の考え方の癖を知らなくてはいけません。もうひとつは『嗜好性』です。どんな色が好きなのかなど、好みを把握します。最後が『指向性』です。その人が何を目指したいと思っているのか、です。この3つの角度から探っていきます」
このように「読んでもらいたい人」を把握することで、投稿内容や色使いなどが統一感のあるものになるという。
「いいね回り」は無意味
では、肝心の『本来、読んでもらいたい人』に自分のことを知ってもらうには、どうしたら良いのだろうか。Instagramは、TwitterやFacebookと比べて「拡散性」が低いことで知られている。投稿内にURLを貼ることもできない。リツイートして、他人に投稿を広めることもできない。情報を広める手段は限られている。
「インスタグラムで稼ぐ」と言うと、なにか華やかな秘策があるように聞こえるかもしれない。だが、湯山社長が取った方法は極めて地道なものだった。それは、フォローして欲しい人たちと、1人ひとりとコミュニケーションをとることだ。
「まず自分と同じ分野でビジネスをしていて、フォロワー数の比較的多いアカウントを見つけます。そのアカウントをフォローしている人たちの投稿に対し、個別に感想やメッセージを送り、自分のアカウントを知ってもらうのです。メッセージでは、宣伝めいた内容は絶対にいけません。あくまで『普通のコミュニケーション』に徹します」
なんとも地道な方法だが、昔から「上手い話には裏がある」とも言う。楽して儲かる方法はないということなのだろう。
フォロワー数を増やす手法として、多くの書籍で解説されているのが「いいね回り」という手法だ。文字通り、フォローして欲しい人の投稿に連続して「いいね」を押して回るという方法だが、これも湯山社長は「もはや無意味」と切り捨てる。
「『いいね回り』は確かにインスタグラムが登場して間もない頃は有効だったかもしれません。ですが、今やあまりに知られる方法となったため、『いいね』を付けられた相手も、もはやなんとも思いません。それどころか、やりすぎるとインスタグラムの運営から『迷惑アカウント』とみなされる危険すらあります」