しかし、シリコンは本当に環境に優しいのだろうか?
そもそも、シリコンは何でできているのだろうか?
意外と知らない方が多いと思うので、今回はシリコンの特徴と環境に与える影響をまとめていく。
シリコン ≠ プラスチック
まず、シリコンはプラスチックではない。
シリコンはケイ素という元素そのものであり、地球上で酸素に次いで多く存在している。このシリコンをもとに、いろんな物質を混ぜて作られた化合物がシリコーンだ。
家庭用品品質表示法で統一した用語が定められていないため、シリコンスポンジやシリコンスチーマーといった製品があるが、正しくはシリコーンである。
CO2排出量を削減
シリコーンは、石油を原料とするプラスチックと違って炭素をほとんど含まず、燃やしてもあまりCO2を排出しない。さまざまな用途でシリコーンとほかの素材の温室効果ガス排出量を比較した調査によると、シリコーンは製造・廃棄の過程で排出する温室効果ガスの9倍もの削減効果があるそう。
つまり、製造・廃棄時に1トンのCO2が排出されても、使用することで実質的に9トンのCO2が削減できるということだ。
毒性が低い
シリコーンは毒性が低く、人体には無害でアレルギー反応が少ないと考えられていることから、哺乳瓶やおもちゃといった赤ちゃん用品にも使われている。
医療現場でも使用されており、その毒性が環境を汚染することはないと考えてよいだろう。
また、耐久性や化学的安定性も高くて長持ちするため、建築や自動車、電子機器などの幅広い分野で利用されている。
耐熱性・耐寒性に優れる
シリコーンは耐熱性・耐寒性に優れ、製品によるが、-70℃〜200℃という広い温度帯で使用することができる。また、ものがくっつきにくいという特徴もあり、シリコーンで作られた調理器具が広く普及している。
いろいろな用途で使えることから、1つの製品を有効活用でき、ものを減らすことにもつながります。