暗号資産

2023.02.28

「ビットコインNFT」を実現する新プロトコルOrdinalsへの期待

Getty Images

ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産の価格は現在、2023年初頭の高値から下落している。ビットコインの価格は、最新のデータでインフレが根強いことが示され、連邦準備制度(FRB)の利上げが止むという期待が消え去ったことを受けて下落した。

そんな中、Ordinalsと呼ばれるビットコインベースのNFTが注目を浴び、それを支えるスタックスネットワークの「STX」と呼ばれるトークンが数十億ドル規模に成長する可能性が指摘された。従来のNFTの大半はイーサリアムのブロックチェーンを用いていたが、その状況に変化が訪れる可能性がある。

デジタル金融サービス企業Matrixportの調査主任のマーカス・ティーレンは、最新のレポートで「OrdinalsのNFTは、ビットコインのブロックチェーン上に直接鋳造されるため、開発者が変更を加えることが可能な既存のNFTとは異なるものだ」と書いている。OrdinalsのNFTをめぐる熱狂は、2月にSTXの価格を約200%押し上げた。

Ordinalsは、NFTをビットコインのブロックチェーンに格納できるようにする新たなプロトコルで、ビットコインの最小単位であるサトシを使って、デジタルアートやプロフィール写真などのコンテンツを、ビットコインのブロックチェーンに直接エンコードする。

「スタックスネットワークの潜在能力が認められ始めたことで、STXトークンの上昇に拍車がかかる可能性がある」とティーレンは述べている。

NFTブームは、暗号資産の価格が暴落し、市場から約2兆ドルの価値が消滅したことを受けて衰えている。

「ビットコインのブロックチェーン上でNFTをミント可能にするOrdinalsは、より高いセキュリティや透明性、トレーサビリティを実現する。そしてより多くのユースケースを開き、NFTに対する関心を再燃させる」とティーレンは述べている。さらに、新たに作られたOrdinalsのNFTの数が先日、10万個の大台を突破したことを指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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