同社の2022年11月~23年1月期の決算は、売上高が前年同期比21%減の60億5100万ドル(約8150億円)だったが、市場予想の60億ドル(約8080億円)を上回った。純利益は53%減の14億1400万ドル(約1900億円)だったが、アナリスト予想の12億ドル(約1900億円)を上回った。
売上高の伸びを牽引したのは自動車部門で、前年同期比135%増の2億9400万ドル(約400億円)を記録し、アナリスト予想を13%上回った。
「今期の売上高の上昇は、自動運転ソリューションや電気自動車(EV)向けコンピューティングソリューション、AIコックピットソリューションの販売の強さを反映したものだ」と、同社のCFOのコレット・クレスは述べている。
同社が注力を深めるデータセンター部門は売上高に最も貢献し、四半期で36億2000万ドル(約4870億円)を売り上げた。この額は予想の38億1000万ドル(約5130億円)を下回ったが、前年比では11%増を記録した。同部門は、人工知能(AI)を搭載したロボットや自動運転車両の開発に必要なシミュレーション機能を備えたプラットフォームの「NVIDIA Omniverse(エヌビディア・オムニバース)」を提供している。
アナリストは、エヌビディアがHopperと呼ばれるAI工場向けの新しいチップアーキテクチャやPC向けの新世代のチップなどを投入し、昨年見られたような収益の減少を逆転させることを期待している。複数のアナリストによると、同社は3月の開発者会議で新たな製品やAI関連の戦略に関する詳細な情報を発表する見通しという。
今期よりも前のエヌビディアの収益の多くは、暗号資産のイーサリアムのマイナー(採掘者)の間で広く使われているGPUを擁するゲーム部門に依存していた。しかし、イーサリアムのブロックチェーンがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に切り替わると、マイナーはこのチップを必要としなくなり、他の部門で収益を得ることを余儀なくされた。
しかし、今期のゲーム部門の収益は、アナリスト予想の15億ドル(約2020億円)を上回り、18億3000万ドル(約2460億円)を記録した。エヌビディアは、新たに発表されたMicrosoft(マイクロソフト)との提携で、クラウドゲーミングサービスであるNVIDIAのクラウドゲームサービスで「GeForce NOW」に、人気の「Call of Duty(コール オブ デューティ)」や「Overwatch(オーバーウォッチ)」などのタイトルを追加する。
(forbes.com 原文)