ファクトセットのデータによると、テスラは2023年の年初から2月20日までに、S&P500構成銘柄の中で最高の69%を超える上昇を記録した。他の5つの好調なS&P構成銘柄は、ストリーミングのワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー(63%高)、バイオテクノロジーのキャタレント(59%高)、歯科矯正のアライン・テクノロジー(50%高)、クルーズ船事業のロイヤル・カリビアン(48%高)だ。
これらの企業の業種はさまざまだが、1つの共通点がある。それは、2022年に最もパフォーマンスが悪かった株式銘柄の1つであり、昨年35%以上の下落に見舞われたことだ。
他に今年目立った上昇を見せたのは、同じくストリーミング系銘柄のパラマウント(40%高)やディズニー(21%高)、テクノロジー大手のエヌビディア(46%高)やメタ(44%高)、旅行関連ではノルウェージャン・クルーズライン(44%高)やシーザース・エンターテインメント(27%高)などだ。
一方、S&P構成銘柄のうちの敗者の業種もさまざまで、通信会社のルーメン・テクノロジーズ(25%安)を筆頭に、太陽光発電のエンフェーズ・エナジー(23%安)、ヘルスケア企業のバクスター・インターナショナル(20%安)、エネルギー企業のAPAコープ(18%安)、医薬品大手のファイザー(15%安)などが続いている。
時価総額が1000億ドル(約13兆4900億円)以上の企業の中で最悪のパフォーマンスを記録中のファイザーの株価の下落は、同社が2023年に新型コロナウイルスワクチンの売上が60%減少するとの見通しを示したことに起因している。同社の株価の下落幅は、競合のジョンソン&ジョンソン(9%安)とイーライリリー(10%安)を大きく上回っている。
S&P500種指数は、2008年以来で最悪の年間パフォーマンスとなった2022年の18%の下落の後、年初来で6.7%高を記録している。直近の低迷は、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために金利を約0%から4%超に引き上げたことに密接に関連していた。メタ以外にも、アルファベット、アマゾン、アップル、マイクロソフトがそれぞれ6%以上の上昇を記録するなど、時価総額が巨大なハイテク株は今年に入り大きく上昇している。
一方、8カ月ぶりの高値となる2万5000ドル(約340万円)をつけたビットコインも、年初来で50%近く上昇している。オアンダのアナリストは2月20日「投資家は暗号資産の最新の上昇に注意しなければならない」と警告し、2021年11月からの1年間でビットコインが75%急落したことを指摘した。
地政学的緊張が高まる中で、防衛関連株は最近上昇しているが、米軍の請負業者のノースロップ・グラマンは、S&P構成銘柄の中で6番目に悪い年初来パフォーマンスとなっている。
(forbes.com 原文)