政治

2023.02.28 08:00

労働力の使い捨てに抗う中国Z世代の「寝そべり」運動

Getty Images

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二大経済大国である米国と中国の労働者はうんざりしている。米国における「大量退職時代」「静かな退職(クワイエット・クイッティング)」「acting your wage(賃金に見合った振る舞い)」「rage applying(怒りの応募)」などといった職場のトレンドは、常に失業が心配で、給料は安く、粗末に扱われ、今の会社で成長する見込みがないことに人々がうんざりしていら立っていることを表している。

China Digital Timesは「humineral(人矿、人鉱)」という新語が中国のインターネットで流行し、現在、検閲の対象になっていることを報じている。この新語は「社会に搾取され、ついにはごみの山に捨てられる」人のことを指している。

「人鉱」は、鉱物資産になぞらえた表現だ。労働者は人間ではなく資源として見られている。労働者が夢や野心と引き換えに毎日働くことで、ボスや会社のオーナーが利益を得る。労働者が教育を受けた後、会社は「人鉱」の潜在力を抽出する。それ以上価値が提供できなくなったとき、労働者は捨てられる。China Digital Timesはこれを「抽出、搾取、スラグ除去」の3段階に分類している。

寝そべり

もう1つ、米国における「静かな退職」や「賃金に見合った振る舞い」に相当する職場のトレンドが「lying flat(躺平、tang ping、寝そべり)」と呼ばれている行動だ。これは、長時間労働を異常に崇拝する中国ビジネス世界の精神構造に対するものだ。

中国指導部から目の敵にされる前、Alibaba(アリババ)創始者の超億万長者ジャック・マーは、スター扱いされていた。彼は「996」として知られる労働文化を推進した。この数字は、人は午前9時から午後9時まで、週6日間、喜んで働くべきだというマーの信条を表している。これは、パンデミック期以前の米国で共感を得た「rise-and-grind(起きてがんばって働く)」文化に相当する。
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翻訳=高橋信夫

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