「やめさせない秘密」その2、プッシュ通知
ユーザーの継続学習をサポートするもう一つの仕組みが、Twitterでユーザーから「メンヘラ彼女みたい」とのフィードバックもあった「プッシュ通知」だ。Duolingoは独自のシステムを使って、過去34日間に送信されたおよそ2億件の通知からデータを収集し、どの通知が最もユーザーの興味を引き付けるかを分析した。
その結果、言語によって通知の効果は異なること、そして同じ内容の通知を頻繁に行わない方がよいことなどを解明したという。
単語学習の際に有効な”忘却曲線”をプッシュ通知にも適用し、ユーザーが同じ通知を何度も見ることに嫌悪感を抱くことを、通知のAIアルゴリズムに明示的に教え、それを避けるなどの設計が行われている。
「外国語を話せるようになりたい」は日本人人口の半分、だが─? ユニークなターゲット属性
Duolingoの調査では「外国語を話せるようになりたい」と考えている日本人は2人に1人で、換算するとおよそ6000万人もいる。だが日本では、実際に語学学習を行っている人(10歳以上)は学校教育を除くと人口の14%に過ぎず、およそ1500万人だ。つまり「外国語を話せるようになりたいのに、語学学習を行っていない」人は、およそ4500万人いる計算だ。
Duolingoはその4500万人をターゲットに、さまざまなアプローチを行っている。これは、競合他社が「やる気がある学習者」を狙ってサービスを展開しているのと比較すると、非常に画期的だ。
たとえば、Duolingoは、その独自キャラクターDuoがゴロゴロするCMを、日本上陸当初から流している。「語学学習=面白くない」というイメージから、楽しくゴロゴロしながら学習できるというイメージを想起できるようなコミュニケーションを行っているという。
学習意欲はあるが実行できていない、日本にいる4500万人もの隠れたユーザーを対象に、今後Duolingoがどのようにサービスを拡大していくのか、期待したい。