また、妊娠後期に安静にする必要が出てきて、やる気やモチベーションがあっても身体がついていかないことや、体調の問題などに個人差があることを改めて実感します。心を強く保てていたとしても、個人の体調と仕事との両立には杓子定規では図りきれない難しさがありますね。
妊娠判明後すぐに体制構築
マネジメント観点では、情報をオープンにする時期やしてもらう時期についても悩みました。私自身は仮に流産などの問題が生じても、その時周囲は理解してくれると思っていたので、妊娠判明後すぐに経営に伝え、体制を構築しはじめました。実際、共有してから産休に入るまで5カ月以上あったことで、自身が直接行っていた業務を代わりにできるマネージャークラスの採用が複数完了し、引き継ぎも終わり、安心して抜けることができました。
また、妊娠中は仕事ができるレベルの体調を維持できましたが、メンバーからは、「妊娠初期につわりがひどくて仕事がままならなかった。それを打ち明けるか悩んだ」という話を聞きました。妊活、不妊治療、妊娠初期の健康課題など、パーソナルな問題については伝えづらいという意見はもっともです。ただ、早く知ることができればその分考慮した体制にしてあげられるのではと思います。
一方、勇気を出して打ち明けてくれても、受け入れる側の管理職に不妊治療や妊娠初期症状などに関する知識がなければ、適切な対応が難しいという課題もあります。リンケージの支援企業では、妊娠や出産を迎える女性が働きやすい職場づくりのため、社員が女性特有の健康課題について正しい知識を持つ取り組みを始めている企業も多く、とても重要な取り組みだと思います。
職場へは産後8週間で復帰予定です。当社のベビーシッター補助制度などを利用しながら、まずは妊娠中と同様に自宅で仕事を再開しようと思っています。もし私が担っていた業務が問題なく回っていればそこには戻らず、他の経営陣と経営課題を正しく認識したうえで、自分がコミットすべきことを取捨選択していく予定です。
管理職の方は、離脱によってポストが他の人に渡るのではという不安は少なからずあるでしょう。ただ、仮に状況が変わっても成果を出せるという健全な自信と努力は必要です。送り出す側も、本人の不安を理解し、サポートすることが重要です。
こういった自社での経験や試みを、現在提供している女性健康支援サービスFEMCLEにも還元しながら、多くの企業の女性活躍を支援していきたいと考えています。
次回は、スタートアップのメンタルヘルスケアというテーマで、さらに踏み込んだ内容をお伝えしていきます。