VC

2023.02.28

ウェルビーイングのために今できること 37社と取り組むプロジェクト始動

スクラムスタジオのグローバル・オープンイノベーション・プログラム「Well-BeingX」の第1期の成果報告会が開催された

「Well-Being(ウェルビーイング)」という言葉がビジネスシーンの界隈に広く浸透しつつある。ウェルビーイングとは身体と心が健康な状態であることに加えて、人々が毎日の暮らしの中で幸福を感じられる価値を見つけて、これを持続的に高めようとする考え方だ。

Scrum Studio(スクラムスタジオ)ではフィットネスにスマートシティ、フードテックなどさまざまな領域でのオープンイノベーションを通じて、日本の企業とグローバルスタートアップを結び付け、新規事業創出を支援している。「Well-BeingX(ウェルビーイング・エックス)」は「多様なウェルビーイングの実現」をテーマに掲げて、スクラムスタジオが2022年3月に立ち上げた事業共創のためのグローバル・オープンイノベーション・プログラムだ。

Well-BeingXのプログラムは2024年12月までの3年間に実施を予定する。昨年に「パーソナルケア&ウェルネス」「栄養&健康管理」「エイジング&介護」「保険&健康経営」「こころと体」という5つの主要領域でスタートアップを募り、第1期には世界5カ国のスタートアップ37社を採択した。

事業共創に向けた取り組みもまた続々と芽吹き、去る2022年12月15日にはプログラムの中でいくつかまとまった成果を発表する「デモデイ」を開催した。

多様性に富むプロジェクトが立ち上がった

1人1人の異なる幸福価値を追求することもまたウェルビーイングの在り方である。だからこそWell-BeingXの下に集う企業と人のプロジェクトもバラエティに富んでいる。デモデイで発表された成果のいくつかを紹介しよう。

Well-BeingXの中で数多くのプロジェクトに参加する住友生命は「WaaS(Well-being as a Service)」として、ウェルビーイングに関わるさまざまな領域のサービスとノウハウを結びつけて、大きなエコシステムをつくろうとしている。

住友生命保険相互会社のSUMISEI INNOVATION FUND事業共創責任者である藤本宏樹氏が、同社が構想する「WaaS(Well-being as a Service)」のコンセプトを語った住友生命保険相互会社のSUMISEI INNOVATION FUND事業共創責任者である藤本宏樹氏が、同社が構想する「WaaS(Well-being as a Service)」のコンセプトを語った

その1つが妊活と不妊治療の支援を中心とするインターネットコンテンツの企画・開発・運営等を提供するファミワンとのコラボレーションだ。両社は「子どものウェルビーイング向上」に着目し、看護師や心理士などエキスパートによる中高生向けの性教育に関わるオンライン相談窓口を設ける。2023年1月からは両社の事業共創として、将来の妊娠を考える女性やカップルのため健康管理を支援するプレコンセプションケアの実証事業も始まった。
次ページ > ウェルビーイングの奥深さ

編集=安井克至

ForbesBrandVoice

人気記事