女性のウェルビーイングにも高まる関心
Well-BeingXのデモデイのステージには海外からゲストスピーカーも招かれ、基調講演としてウェルビーイングに関連する世界の動向が伝えられた。女性の健康を支援するテクノロジーやサービスは、いま欧米では「FemTech(フェムテック)」として多くの企業や投資家に注目されている。米FemHealth InsightsのCEOであるブリトニー・バレット氏は同領域に進出するベンチャーのビジネスを先駆けて支援してきた。
基調講演のステージに登壇した米FemHealth Insights CEOのブリトニー・バレット氏
ウェルビーイングの考え方は、女性の健康をめぐる領域にも広がりつつある。一方で女性の健康に関する話題はあまり日ごろオープンに語られることはなかった。そのため女性の健康を取り巻く課題が顕在化しても、これを最先端のテクノロジーと結び付けて支援するための知見が育ってこなかった。
バレット氏は米国においてもまだ、フェムテックをベースとするスタートアップがアーリーステージの資金調達に苦労している現実があると語る。だからこそ「成功を勝ち取るためにアーリーステージの段階から、確固たる信念を持って起業にチャレンジしてほしい」とWell-BeingXの参加者にもエールを送った。
ウェルビーイングがカバーするテーマはとても広く、1つ1つが掘り下げるほどに深遠さを実感させる。そのうえ、ターゲットとなる人物像も驚くほど多様性に富んでいる。でも一方でウェルビーイングに関わるすべてのテーマはゆっくりと時間をかけて丁寧に、潜在ユーザーの声を拾いながらサービスの形を整えることで、誰かの幸福価値となり、やがて社会全体にも良い影響をもたらせるところに「おもしろさ」がある。1人1人が自分自身のウェルビーイングに向き合い、質の高いサービスを追い求めるようになれば、きっと今後のテクノロジーやサービスの変革にも明るい展望が見えてくるだろう。
スクラムスタジオのWell-BeingXはすでに2023年のプログラムを始動している。今年は「美容・フェムテック」「食・栄養」「シニア・ケア」の各領域により深くイノベーションを探求していくという。第1期に誕生したプロジェクトの成長と、新たに参加する企業・スタートアップによる共創を引き続きお知らせしたい。
連載:SCRUM FOR THE FUTURE
─ 次にくるスタートアップ&トレンド
過去記事はこちら>>