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2023.02.28 13:30

ウェルビーイングのために今できること 37社と取り組むプロジェクト始動

デモデイのプレゼンテーションに登壇した東京建物の沢俊和氏は「個人のウェルビーイングが高まることが、引いてはその周辺の人々のウェルビーイングが実現することにもつながる」として、個人から会社そして街というより大きな単位の共同体へ「めぐりくるウェルビーイング」というプロジェクトのコンセプトを説明した。数年後に誕生する東京の新しいランドマークは、ウェルビーイングの最先端基地になっているかもしれない。

女性のウェルビーイングにも高まる関心

Well-BeingXのデモデイのステージには海外からゲストスピーカーも招かれ、基調講演としてウェルビーイングに関連する世界の動向が伝えられた。

女性の健康を支援するテクノロジーやサービスは、いま欧米では「FemTech(フェムテック)」として多くの企業や投資家に注目されている。米FemHealth InsightsのCEOであるブリトニー・バレット氏は同領域に進出するベンチャーのビジネスを先駆けて支援してきた。

基調講演のステージに登壇した米FemHealth Insights CEOのブリトニー・バレット氏基調講演のステージに登壇した米FemHealth Insights CEOのブリトニー・バレット氏

ウェルビーイングの考え方は、女性の健康をめぐる領域にも広がりつつある。一方で女性の健康に関する話題はあまり日ごろオープンに語られることはなかった。そのため女性の健康を取り巻く課題が顕在化しても、これを最先端のテクノロジーと結び付けて支援するための知見が育ってこなかった。

バレット氏は米国においてもまだ、フェムテックをベースとするスタートアップがアーリーステージの資金調達に苦労している現実があると語る。だからこそ「成功を勝ち取るためにアーリーステージの段階から、確固たる信念を持って起業にチャレンジしてほしい」とWell-BeingXの参加者にもエールを送った。

ウェルビーイングがカバーするテーマはとても広く、1つ1つが掘り下げるほどに深遠さを実感させる。そのうえ、ターゲットとなる人物像も驚くほど多様性に富んでいる。でも一方でウェルビーイングに関わるすべてのテーマはゆっくりと時間をかけて丁寧に、潜在ユーザーの声を拾いながらサービスの形を整えることで、誰かの幸福価値となり、やがて社会全体にも良い影響をもたらせるところに「おもしろさ」がある。1人1人が自分自身のウェルビーイングに向き合い、質の高いサービスを追い求めるようになれば、きっと今後のテクノロジーやサービスの変革にも明るい展望が見えてくるだろう。

スクラムスタジオのWell-BeingXはすでに2023年のプログラムを始動している。今年は「美容・フェムテック」「食・栄養」「シニア・ケア」の各領域により深くイノベーションを探求していくという。第1期に誕生したプロジェクトの成長と、新たに参加する企業・スタートアップによる共創を引き続きお知らせしたい。

連載:SCRUM FOR THE FUTURE
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編集=安井克至

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