飲食店の集客には断然インスタとグーグル

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新型コロナウイルス感染症の拡大により、政府が行動制限を求めたことで、観光業や飲食業は大打撃を受けました。行動制限は2021年11月に一部緩和された以降、段階的に緩和され、今年の5月には感染症法上の位置づけが2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類へ見直されることが決まっています。

そうした中、飲食業界はどん底からは抜け出したものの、ライフスタイルの変化によりコロナ禍以前のような集客ができている店舗はまだ少ないようです。

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」によりますと、2022年12月の来店客数について、前年同月と比較したとき、「10%増えた」と「変わらない」がともに16.7%ともっとも多く回答がありました。全体で見ると「増えた」と回答したのが48%で、「減った」と回答した32.7%を上回っています。

来店する1組あたりの客数(グループ)は、「増えた」店舗で「2人」が34.8%でもっとも多く、逆に「減った」店舗で、減ったと思うグループは、「特にない」が29.5%とトップだったものの、続いて「6~10人」(27.5%)、「3~5人」(21.5%)、「11人以上」(17.4%)と大人数のグループ客の減少が目立っているようです。


こうした事態に、店舗で活用している集客手段のうち、もっとも効果を感じるものを挙げたところ、「Googleビジネスプロフィール」と「Instagram」(インスタ)がともに41.7%がトップ。続いて「グルメ予約サイト」が36.1%、「自社ホームページ」が25.5%」、「Facebook」が19.9%という結果になっています。

特にインスタがGoogleビジネスプロフィールと肩を並べ、グルメ予約サイトよりも効果があるという結果に注目です。これは最近の若い人はインスタで検索し、写真を見て判断することが多いためでしょう。回答者のコメントにも「インスタの投稿頻度を上げてから新規顧客の人数が増加傾向にあると感じています(大阪府/カフェ/1店舗)」としており、店舗の客層によっては効果が期待できるかもしれません。

一方で、「SNSを定期的にするのが、難しい。何が一番効果的か分からない(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)」や「SNSでの集客も活用しているが、効果が見えにくい割に手間も掛かり、スタッフがモチベーションを持ち続けるのが難しい(東京都/洋食/3~5店舗)」などのコメントもあるので、いかにうまくSNSを活用できるかが鍵となっているようです。

まだマスク生活は続いているものの、外出も外食もそれほど抵抗なく以前のような感覚にもどりつつあります。ただコロナ禍を経てライフスタイルは変わっているので、そのスタイルにあった集客方法を見出し、以前のような活気を取り戻す必要がありそうです。

出典:シンクロ・フード「飲食店リサーチ」より

文=飯島範久

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