採用までの時間の短縮
採用担当者にとって、候補者が企業の採用枠に入ってから内定を得るまでにかかる時間は重要な指標となる。スキルベース採用は、よりスピーディーで効率的な採用プロセスを可能にする。候補者を早い段階で見極めることで、人事チームは定量的なスキルに基づいて応募者を短期間のうちにランク付けすることができる。例えば、テストゴリラが調査した企業のうち、91%が採用までの総時間を短縮し、そのうち40%が25%以上の短縮を報告している。採用コストの削減
スキルベース採用を行うことで、欠員をより早く埋めることができる。つまり、そのポジション向けの求人広告やマーケティングにかかる総コストが削減されるのだ。また、この方法で採用された候補者は教育をほとんど必要としないため、入社後のオンボーディング時間とコストも削減することができる。定着率の向上
スキルベース採用のもう1つの利点は、定着率の強化につながることだ。マッキンゼーによれば、「スキルベース採用は、学歴を重視した採用よりも5倍、職歴を重視した採用よりも2倍以上、仕事のパフォーマンスを予測することができる」という。また、大卒でない社員は、大卒の社員よりも34%長い期間その職務に留まる傾向がある。離職率が上昇傾向にある現在、スキルベース採用は大きなアドバンテージとなり得る。より多様な労働力
大学教育にかかる費用はこの10年間で25%も増加している。そのため、4年制大学の学位が必要な職業に就くことは、学資に余裕のない何百万人ものアメリカ人にとって、なお困難な状況となっている。スキルベース採用は、これまで学歴によって職から排除されてきた人々に門戸を開くことで、職場の多様性、公平性、包括性をさらに高める。また、求められる職務を遂行できる限り、候補者を平等に扱うことができる。スキルベース採用は単なる流行語ではなく、企業とそこで働く人の双方にとって利益をもたらす方法だ。企業に対しては、現在の経済環境に求められるスピードと柔軟性を提供する。従業員にとっては、チャンスを広げ、継続的に成長する環境が得られることになる。問題を挙げるとすれば、今日の雇用環境の変化に対応するために、こうした採用方法を進んで実行に移す企業が増えるかどうかだ。時間が経てば明らかになるだろう。
(forbes.com 原文)