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2023.02.07

ChatGPTと「ジェネレーティブAI戦争」の知られざる6つの事実

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2. ChatGPTのリリースは中止されるところだった

口コミで普及が急速に進んでいるChatGPTだが、開発当初はOpenAI社内であまり評価されていなかったという。「夢中になった社員はおらず、誰1人としてこの製品が便利だと思わなかった」とブロックマンは明かしている。

アルトマンらは、2022年秋にChatGPTのリリースを棚上げし、代わりにドメインに特化した代替製品の開発に集中することを決めた。しかし、そのプロダクトが社内で評価されず、Stable DiffusionのようなツールがAIエコシステムを爆発的に成長させたことを受け、OpenAIは方針を転換した。

3. OpenAIの最新言語モデルGPT-4はユーモアのセンスを持つ

ChatGPTの爆発的な普及は、OpenAIにとって諸刃の剣となっている。リリースから5日間で100万人以上のユーザーが利用したことで、同社のサーバーは過負荷状態になった。年末の慌ただしい中、社員たちは最新の言語モデルの「GPT-4」などのトレーニングに使用していたスーパーコンピュータをChatGPTの運用にシフトさせなければならなかった。

GPT-4のリリース時期はまだアナウンスされていないが、OpenAIが非営利団体であった頃から寄付をしていたビリオネアのリード・ホフマンによると、GPT-4はユーモアのセンスを身につけたという。

4. Stability AIがアマゾンンと契約

Stability AI創業者のモスタクは、ビッグテックを「パノプティコン(全展望監視装置)」と呼び、自社を「人々のためのAI企業」と位置づけてビッグテックとは異なる方法でテクノロジーを開発している。しかし、彼はこれまでAI競争のダークホースだったアマゾンと「驚くほど魅力的な契約」を締結した。

アマゾンは、Stability AIが保有する世界トップクラスの速さを誇るスーパーコンピュータのために、4000個以上のNVIDIA(エヌビディア)製GPUを提供した。Stable Diffusionは、このスーパーコンピュータを使ってAIのトレーニングを行っているが、モスタクによると、1年前までStability AIが運用していたGPUはわずか32個だったという。
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編集=上田裕資

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