イーロン・マスク、倒産の危機発言から一転「損益分岐点に向かっている」

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Twitter(ツイッター)CEO、イーロン・マスクは2月5日、同社が「損益分岐点に向かっている」と語った。マスクはわずか数カ月前、騒動の中ツイッターのオーナーになった直後に「倒産してもおかしくない」と周囲に伝えていた。

マスクは、彼の厳しい作業負荷に関するウォール・ストリート・ジャーナルの質問に答えたツイートで、「この3カ月間は極めて厳しい状況でした」とツイッター、SpaceX(スペースX)、Tesla(テスラ)の3社を経営していることについて述べ、「あの痛みを他の人には与えたくありません」と語っている。

「まだ課題はありますが、根気よく続けていけば損益分岐点に向かうでしょう」と話し、「ツイッターを倒産から守る必要があります」と強調したが、突然の好転に関する具体的証拠は挙げていない。

フォーブスの推計によるとマスクの資産は1842億ドル(約24兆円)で、その大部分が保有するテスラ株によるものだ。現在、彼は米国で1番、世界で2番目に裕福な人物だ。

マスクは2022年10月に440億ドル(約5兆8000億円)でツイッターを買収した直後に大規模な解雇を実施して数百人の従業員を失業させた。同氏はかつてツイッターが1日当たり400万ドル(約5億3000万円)の損失を出していると話し、11月には社員に対して「サブスクリプションによる多大な売上がなければ、ツイッターが迫りくる不況を乗り切るチャンスはない」と話していた。

マスクは「Twitter Blue」という月額8ドル(日本では980円)のサブスクリプションサービスに力を入れてきた。購入したユーザーは認証済みチェックマークの取得や広告が少なくなるなどの特典を得られる。最近同社で行われたツイッターの鳥の像などの記念グッズのオークションは会社にかなりの金額をもたらした。しかし、有料サービスやマスクの取り組みが11月にツイッターが抱えていた185億ドル(約2兆4400億円)の負債や、下落する売上を相殺できたかどうかは定かでない。2022年最後の3カ月間にツイッターは2億7000万ドル(約357億円)の損失を計上した。The Informationsは1月、ツイッターの広告売上が前年同月と比べて40%下落し、同社の主要広告主500社がマスクによる買収後に出稿を停止し、コンテンツ管理に対するマスクの対応が厳しさに欠けることを理由に挙げたと報じている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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