パートタイム労働は社会復帰への足がかりになる
パートタイム労働の機会の提供は、労働市場に戻るための足がかりになる。カリフォルニア大学のキャサリン・ニューマンは、近著『Moving the Needle』で、コロナ以前は多くの労働者が不本意なパートタイム労働を行い、実はもっと長く働くことを望んでいたと論じている。ニューマンと共著者のエリザベス・ジェイコブスは、パートタイム労働者の40%が「もっと長く働きたい」と答えたと記しており、与えられる仕事が技能や経験が活用されない不完全雇用は、失業よりも大きな問題であることを明らかにしている。実際、「労働時間は十分だ」と答えた人はわずか11%だった。この問題は、特に過小評価されることが多いグループに顕著で、このグループの労働者の20%以上が不完全雇用に分類される。
「政府は当然、経済成長を望んでいる」とクランフィールド大学の研究者は言う。「パートタイム労働を調査し、必要に応じてその普及を後押しすることで、現在、仕事を持たない多くの人々を労働に戻し、必要とされる時期に経済を活性化させることができる」
パートタイム労働を定着させるためのヒント
雇用主がパートタイム労働の提供に前向きになり、労働生活の一部として定着させるために、研究者らはいくつかのヒントを提供している。1. 勤務時間の責任を分散させる 個人ではなくチーム全体が仕事管理の責任を負うようにし、従業員同士が簡単に代わりを務められるようにする
2. 「マルチスキル」を活用する 複数の役割をこなせるよう従業員を教育する。これにより、さらなる柔軟性と組織の回復力を生み出すことができる
3. 仕事以外の責任についてオープンにする パンデミックにより、従業員の仕事以外の生活がいくらか明らかになったため、仕事以外の責任についてもオープンに話し合い、双方にとってうまくいくワークライフバランスを作り出すことが重要だ
4. コストは組織への投資と考える パートタイム労働者への投資コストは、フルタイム労働者と同じでもリターンがどうしても低くなるため、効率が悪いと考えがちだ。そうではなく、全従業員の能力に対する投資と考えよう
「ハイブリッドワークへの移行や大量離職のような風潮により、仕事の世界はかつてないほど変化しつつある。パートタイム労働は、雇用者と従業員が激動の時代をうまく切り抜け、将来、成功するための道筋を提供するだろう」と研究者は結論付けている。
(forbes.com 原文)