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英オックスフォード大学の研究者、カール・ベネディクト・フレイとマイケル・オズボーンは2013年、47%の仕事が10年以内に自動化されると予測した。それから6年たった今、先進国の多くでは失業率が過去最低水準に低下。一方でゼロ時間契約やギグエコノミーが人々の健康にもたらす影響についての懸念が生じ、論点は人々が“良い仕事”に就くことへとシフトしている。

仕事をすることの心理学的なメリットはよく知られており、自己評価や社会的包摂性の改善などがあるが、こうしたメリットが得られるための条件はあるのだろうか? 私たちは、“良い仕事”に就く必要があるのだろうか、それともどんな仕事でも効果があるのだろうか?

ケンブリッジ大学などの研究チームはこの問いに答えるべく、仕事のこうしたメリットが出始める決まった勤務時間があるのかについて調査を行った。

仕事をすることのメリット

研究チームは、英国世帯縦断調査(U.K. Household Longitudinal Study)のデータを使い、勤務時間と労働者の心の健康状態、生活への全体的な満足度を調べた。2009~18年の間に計7万人余りの英国居住者を調査したところ、仕事と心の健康の改善の間には明確な相関関係があった。

なんと、1週間の勤務時間が8時間未満だった人でも、心の健康問題を抱える可能性は30%低かった。また面白いことに、週8時間以上働いたとしても数値の顕著な上昇は見られず、標準的な週40時間勤務の人は心の健康面でも生活満足度でも大きな違いは見られなかった。そのため研究チームは、労働時間が週8時間だけでも、仕事が健康に与えるメリットを全て享受できると結論している。

研究チームは「私たちは気分を改善するために、ビタミンCから睡眠時間までのあらゆることに有効量の指針を設けているが、有給の仕事に対してこの問いが投げかけられたのはこれが初めてだ」と指摘。「失業状態が多くの場合、アイデンティティーや地位、時間の使い方や共同目的の意識などに悪い影響を与え、健康に害をもたらすことは分かっている。今回の調査で、雇用による心理社会的メリットを得るのにどれほどの有給労働時間が必要なのかについて少し理解することができた。そして、必要な時間数は全く多くなかった」と述べている。

編集=遠藤宗生

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