「トークン経済」で資金調達が多様化 イグジットの形にも変化

日本のWeb3の現状について議論された「Tapping into the Japanese Web3 Market」というディスカッション。左から2番目が六人部生馬さん

水野:投資判断はどうされていますか?企業のガバナンスなんかも、他の領域と比べてチェックしにくいのでは。
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六人部:僕らが対峙するのはシードアーリーの企業です。なので基本的には事業領域の将来性や収益性を見て、あとは創業者がどれだけ誠実か。能力やネットワーク以上に、誠実さや真摯さを重視します。

水野:六人部さんはドバイに移住予定ということで、外から日本を見る機会も多いと思います。現時点で日本のWeb3をどうみていますか?

六人部:「やりにくい」ですよね(笑)。規制や税制が厳しいので。
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ただ、政府を含め、動かれている方がたくさんいるので、よりやりやすい方向に変化していけばいいなと思っています。日本には優秀な技術者も多いですし、創業者も海外プロジェクトに入って活躍している方はたくさんいて、そこにはすごく期待できると感じています。もっと増えてきたらWeb3スタートアップの世界もさらに盛り上がるのではと思います。

水野:日本人のWeb3の経営者はまだまだ少ない感じですかね。課題だなと感じるところはありますか?

六人部:Web3の優秀な技術者やリサーチャーの日本人は増えてきているので、今後はWeb2などで起業や経営の経験がある方がもっとWeb3に入ってくると良いですね。

中長期視点で事業を見ると、プロダクト開発だけでなく、組織運営やマーケティングなど、事業構築に必要な要素が幅広くあり、Web3ではそれに加えてトークンが入ってきます。法規制、税制、また金融や経済についての知識も求められるため、難易度が上がっています。

水野:投資家として、六人部さんが意識していることはありますか?

六人部:投資先の創業者から「イクマ、なんとかならないか?」と、課題を相談されることがあります。そんなときこそ力の見せどころだなと思うし、そんな風に一緒になって切磋琢磨できる関係が理想ですね。逆に、求められていないことはしないということも意識していて、基本的には創業者や経営陣との信頼関係が大事だと思っています。

文=水野和寛 編集=露原直人

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