タキシフォリンは、シベリアに自生するダフリアカラマツや野生アザミになどに含まれるポリフェノールの一種です。京都医療センター、名古屋大学、東京医科歯科大学による共同研究チームは、これまでに脳の認知機能の低下を抑制する効果がタキシフォリンにあることをマウスを使った実験で解明していますが、今回は、タキシフォリンの、肥満、その合併症である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の予防効果、さらに、NASHから肝がんへの進展の予防効果について検証を行いました。その結果、世界で初めて、これらの効果を確認することができました。
高脂肪食負荷肥満モデルマウスという食事によって太らせたマウスにタキシフォリンを摂取すると、体重と体脂肪量が明らかに減少し、糖と脂質の代謝が改善したとのことです。つまり、抗肥満効果が認められました。また、肝臓内の脂肪量、炎症指標、繊維化指標が改善し、脂肪肝の抑制効果があることもわかりました。さらに、タキシフォリンの摂取により、直腸の温度が上がり、褐色脂肪組織の熱産生が進みました。つまり、代謝が上がったということです。
しかも、NASHに罹ったマウスとNASHから肝がんに移行したマウスを使った実験では、タキシフォリンによって肝腫瘍数と肝がんによる病変面積の減少が認められました。このようにタキシフォリンは、「全身への多面的作用を発揮」して以上の効果をもたらすと研究グループは話しています。
現在は、タキシフォリンを使った医薬品の開発を目指して、臨床研究を準備しているとのこと。サプリの広告を見ても「ホントかなー」と疑ってしまいますが、たしかにタキシフォリンには健康効能があるようです。とは言え、サプリを飲んだら痩せたり肝がんの予防ができる、とは限らないので、あしからず。