TikTokの秘密の「ブースト機能」が中国政府に悪用される懸念

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中国政府の介入の危険は?

一方、別の関係者は、ヒーティングが著名なクリエーターとのコラボレーションを目立たせるためにも使われており、そのような場面では、「アルゴリズムが適切な視聴者を見つけるのを手助けする役割を果たす」と説明した。

人間によるキュレーションは、有害なコンテンツや誤情報の排除に役立つが、企業が政治的な嗜好をユーザーに押し付けているという主張にもつながっている。

TikTokの場合は、中国政府がバイトダンスに対し特定の話題をプッシュする、または抑制するよう強制することが可能だという疑惑が持たれている。TikTokは以前、中国政府に批判的なコンテンツを検閲したことを認めており、昨年はバイトダンスの元社員がBuzzFeed Newsの取材に対し、現在は廃止されたニュースアプリのTopBuzzが米国ユーザー向けに「中国寄りのメッセージ」をニュースフィードに送り込んでいたことを明かしていた。しかし、バイトダンスはこの報道を否定した。

TikTokの広報は、中国にいる社員がコンテンツをブーストしたり、中国政府や国営メディアのコンテンツをブーストしたことがあるかという質問に対する回答を拒否した。

TikTokは現在、外国人所有の企業がもたらす国家安全保障上のリスクを評価する米財務省の対米外国投資委員会(CFIUS)との契約締結に近づいているとされている。

しかし、TikTokの禁止を求める議員も増えている。

バイトダンスは先月、北京在住の幹部が率いる従業員チームが、内部情報をリークした社員を特定するために、フォーブスの記者を含むジャーナリストの位置情報を監視していたことを認めた。同社は、この監視に関わった社員を解雇した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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