ベジタリアンとは、肉や魚介類などの動物性食品を摂らず、野菜・芋類・豆類などの植物性食品を中心に摂る菜食主義者のこと。一方のヴィーガンはピュアベジタリアンとも呼ばれ、ベジタリアンの中でも肉や魚介類に加え、卵や乳製品などの動物性食品も一切摂らない完全菜食主義者のことを指す。
欧米ではネスレやユニリーバなどの大手食品メーカーが、動物由来の食品を植物由来に置き換えた代替食の市場へ参入。ボストンコンサルティンググループ他の報告書(※)によると、肉、卵、乳製品、魚介類の代替タンパク質市場は、2035年までに世界で2900億ドルの規模に達すると予想され、拡大を続けている。
では日本には実際、どれくらいベジタリアン、ヴィーガンがいるのだろうか。ミドリムシで有名なバイオベンチャー、ユーグレナのグループ会社で、プラントベース(植物由来の原材料を使用した食品)のポータルサイト運営などを手がけるフレンバシーは、2023年1月時点での日本におけるベジタリアン・ヴィーガンの人口に関する調査結果を発表した。
20代〜60代の男女2418人を対象に「自身で取り組んでいる食生活」を聞いたところ、最多が「低糖質・糖質制限」で13%。続いて2位「無添加・オーガニック」(8.3%)、3位「ベジタリアン」(4.5%)、4位「グルテンフリー」(4.3%)、5位「ファスティング」(3.3%)という結果に(複数回答可)。
「ベジタリアン」と「ヴィーガン」(2.4%)を合わせて重複回答を差し引いたところ、全体の5.9%を占め、約1年前の前回調査(5.1%)を0.8ポイント上回った。
出典:日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel(以下同)
さらに、「意識して肉や魚など、動物性食品を減らすことはあるか」の質問には、26.1%が「ある」と答え、前回(19.0%)から7.1ポイントプラスに。その頻度については「週に1日程度」が最も多く、32.1%。次いで「3日に1日程度」(25.9%)、「毎日」(18.2%)となった。
週に1日以上、動物性食品を減らす人(フレキシタリアン)の割合が8割近くに上ったほか、毎日カットするという人も2割近く存在した。
菜食主義者の人口が増えている背景には、健康や動物愛護、環境面への意識の高まりがある。そうした価値観の変化は社会の仕組みを変え、SDGsの推進にも繋がる可能性がある。
一方で、ベジタリアンまたはビーガンとして食生活を送るなら、栄養不足に陥らないように注意が必要だ。菜食では鉄分やビタミンB12が不足しやすく、それによって悪性の貧血や神経障害が起こる危険性が知られている。
普段からそれらを補うサプリメントをはじめ、鉄分を多く含む豆類やドライフルーツ、緑黄色野菜、そしてビタミンB12が豊富なシリアル、海苔、大豆製品などを積極的に摂取していくことを心がけたい。
※ 参考:https://www.bcg.com/ja-jp/press/23march2021-alternative-protein-market-reach-290-billion-by-2035
プレスリリース:日本のベジタリアン率は5.9%、『第4回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel』の調査結果を公表