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マーケット、投資、マネーに関する執筆を担当。

simpson33 / Bigstock



プライスウォーターハウス(PwC)の調査によると、アメリカ人が映画のストリーミングやダウンロードに支出する金額が、DVDのレンタルや購入に支出する金額を今年初めて上回った。

調査によると、NetflixやHuluなどのデジタルストリーミングサービス、そしてAppleのiTunes Storeなどのダウンロードサービスを合わせたデジタルホームビデオ業界の今年の売上は、前年から12.9%増えて95億ドルになる見込みだ。一方、DVDの小売り・レンタル業界の売上は、前年から9.8%減少し、78億ドルになるという。

こうしたアメリカ国内の傾向は、消費者のDVD離れという世界的なトレンドを示している。PwCが調査を行った54ヶ国のうち、52ヶ国においてDVDの売上は減少している。その一方で、デジタルホームビデオの売上は、2014年の153億ドルに対し、2019年にはほぼ倍の303億ドルになる見通しだ。このうち、映画ストリーミングの2019年までの年平均成長率は、19%に上るという。

デジタルへのシフトを後押ししているのは、番組をオンデマンドで見たり、モバイル端末で視聴したいという消費者のニーズだ。Netflixの調査では、テレビ番組をストリーミング視聴する人の75%が「決められた時間ではなく、自分のタイミングで見たい」と回答している。最近は、Netflix、Hulu、Time WarnerのHBOなどで、番組のエピソードを複数回分、一気に視聴するユーザーも増えている。これは、オンラインストリーミングならではの体験だ。Netflixによると、ストリーミングをする人の76%は「複数話を一気に見たい」と回答している。

こうした消費者のニーズに応える形で、映画ストリーミングの大手3社は、いずれもユーザー数を大幅に増やしている。Netflixは2014年に1,900万人の新規ユーザーを獲得し、全世界のユーザー数が5,740万人となった。会員数は伸び続けており、今年の第一四半期には6,000万人を突破した。HuluとAmazon Primeも、2014年にユーザー数を倍増している。
投資家たちもこうしたトレンドに反応している。Netflixの株価は、2011年夏から1年間低迷した時期があったが、過去5年間で450%以上も上昇している。

消費者がDVDよりもストリーミングの利便性を好んでいるのであれば、テレビについても同じことが言えるはずだ。実際、落ち込みのペースはDVDに比べてはるかに遅いものの、消費者のテレビ離れも進んでいる。PwCのアナリストは、テレビ視聴者数が2017年までに毎年0.9%減少し続けると予測している。しかし、Netflixが「House of Cards」や「Orange is the New Black」などのオリジナルコンテンツを制作したり、人気ドラマ「The Mindy Project」がHulu限定で放映されたような動きが続くと、テレビからストリーミングへのシフトは更に加速するかもしれない。

映画ストリーミングは、映画館の売上にも追いつく勢いだ。PwCは、2017年にストリーミングとダウンロードによる売上は120億ドルとなり、全米の映画館の売上の118億ドルを越えると予測している。
この予測は衝撃的だが、NetflixやiTunesは、映画館とゼロサムゲームを演じている訳ではない。市場全体が拡大する中で、ストリーミングがより大きなシェアを獲得すると見られている。消費者は、従来のエンターテイメントが持つコミュニティ性に引き続き価値を見出しており、ライブ音楽や映画館は今後も一定のシェアを持ち続けるだろうとPwCは分析している。

「消費者は、デジタルと従来のメディアを二者択一で捉えているのではなく、自分が好きなコンテンツを消費するタイミングや方法について、より大きな柔軟性、自由、利便性を求めている」とレポートに記している。
実際、映画館の売上は、2019年までに年平均4%で成長し、アメリカの消費支出の成長率を上回るとPwCは予測している。グローバルでの映画館業界の成長率は更に高く、2019年までに年平均5.7%で成長し、485億ドルに達すると見られている。特に成長著しいのが中国で、成長率は年平均15.5%で、2019年には現在の倍以上の売上規模になると予測されている。

IMAX社CEOのRichard Gelfondは、5月に行われたJPMorgan主催のメディア & テレコムカンファレンスにて、「中国におけるエンターテイメントの成長は力強い。この力強さは今後何年も続くだろう。」と述べている。また、Gelfondは、「エンターテイメント業界全体において、中国寄りの傾向が進展するだろう」との見解を示している。

文=デナリ・ティーティエン(Forbes) 編集=上田裕資

 

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