トーマスによれば、ランキング決定時に考慮に入れたインシデントは重大なケースのみだという。「航空会社では日々、さまざまなインシデントが起きている。その多くは製造上の問題であって、運航上の問題ではない」とトーマスは説明する。「インシデントが発生した際に乗務員がどう対応するかで、優秀な航空会社か、安全性に問題がある航空会社かが決まる。従って、インシデントをすべて一緒くたにしたら、大きな誤解を招くおそれがある」
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最も安全な航空会社の2023年度ランキングで1位に輝いたのは、オーストラリアのカンタス航空だ。昨年1位となったニュージーランド航空から、トップの座を奪った。
カンタス航空が1位になったのは、今回が初めてではない。創業から100年を誇るカンタス航空は、2014年度から2017年度までトップに君臨した。2018年度には、エアライン・レーティングス・ドットコムが選んだ「最も安全な航空会社トップ20社」に名を連ね、翌年2019年度から2021年度までは、3年連続で再び1位となっていた。
上位20社には、米国の航空会社も含まれている。最も上位に入ったのが8位のアラスカ航空で、ハワイアン航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空、デルタ航空の順でそれに続いている。
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「今回のランキングは、とりたてて意外な結果ではない。大手航空会社は引き続き、パイロットの教育や機材に資金を注いでいる」とトーマスは話す。「負担は、通常時よりもはるかに大きい。コロナ禍後に、格納していた航空機を復帰させるとともに、パイロットが再び乗務につけるよう、さらに訓練を実施している」
エアライン・レーティングス・ドットコム恒例の報告書には、最も安全な格安航空会社トップ20社も、アルファベット順で発表されている。そこに名を連ねた米国の格安航空会社は、アレジアント・エア、フロンティア航空、ジェットブルー航空、サウスウエスト航空、スピリット航空だ。カナダのウエストジェット航空もランクインしている。
世界で最も安全な航空会社と、最も安全な格安航空会社は以下のとおり。
